筋肥大目的でトレーニングに取り組まれている場合、高重量を扱うことは避けては通れない道です。
ですが、なかなか重量が伸びなくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、高重量トレーニングのコツについてご紹介させていただきます。
読んでいただければ、怪我無く重量を伸ばしていくことができるようになるはずです。
筋トレで重量を伸ばすためには?
高重量トレーニングのメリットは?
筋肥大を目指すのであれば、高重量トレーニングは必須です。
高重量を扱うことによって、より効率よく筋肉を刺激するだけでなく、神経系が発達することによって単純な力を向上させることができます。
例えば、上腕二頭筋の種目であるダンベルカールで10kgを扱っている人と、20kgを扱っている人を比べてみましょう。
当然、20kgを扱っている人の方が10kgを扱っている人よりも上腕二頭筋の筋量が多いことが想像できます。
ですが、前腕や指の筋肉はどうでしょうか?
前腕や指にはそれほど大きな筋肉があるわけではありません。
ですので、どれほど身体の大きな人であっても、人の2倍3倍も前腕や指に筋肉があるとは考えにくいです。
しかし、握力が必要なダンベルカールにおいて重量に大きな差が出るのはなぜでしょうか。
これは、普段から高重量を扱っていることによって神経系が発達しているため、握力も向上していることが考えられます。
単純なダンベルを握る動作であっても、人の身体は複雑な神経の流れ、筋肉の動きがなされます。
ですから、単純に上腕二頭筋が太いだけでは、ダンベルカールにおいて高重量を扱うことはできません。
しかし、普段から高重量トレーニングに慣れておくことで、様々な種目において重量が伸びていきます。
様々な種目で高重量を扱うことができることで、効率よく全身の筋肉を肥大させることができるようになるのです。
高重量トレーニングのコツ
効率的に筋肥大をさせてくれる高重量トレーニングですが、やみくもに重さを上げていけば良いわけではありません。
高重量トレーニングをする際に注意する点は三つあります。
- 重量設定
- フォーム
- 意識
この三つについて説明していきます。
重量設定
RM法
高重量トレーニングの際、重量を設定するのに1RM×80%とか70%とするやり方があります。
RMとはレペティション・マキシマム(repetition maximum) の略でその回数に対するギリギリの重量を意味します。
ですから、1RMとは1回ギリギリでできる重量、もし10RMであれば、10回ギリギリでできる重量ということになります。
例えばベンチプレスが100kgを一回ギリギリでできる人であれば、1RMは100kgになり、10RMは人によりますが、80kgだったり82.5kgだったりすると思います。
これを利用して、重量設定していく方法です。
例えば、ベンチプレス100kgを一回ギリギリでできる人であれば、1RM×80%の80kg前後の重量を毎回のトレーニングで扱う方法になります。
確かに、この方法はわかりやすいですし、取り入れやすいと思います。
しかし、種目によっては1RMの重量を計測しにくいものもあります。
例えば、ダンベルベンチプレスであれば一回ギリギリの重量なら、スタートポジションに持っていくこともできないでしょう。
また、ダンベルカールを一回ギリギリの重量で行ったなら、フォームが崩れて背中や肩の筋肉を使って引きあげる形になってしまうと思います。
ですから、こういった種目であれば、1RMでなく、8~15RMの重量を伸ばしていく方法になります。
例えば、毎回のトレーニングでダンベルベンチプレスを8回行うとしたなら、8回できる重量を伸ばしていくやりかたです。
重量に変化をつける
いずれの方法においても、毎回のトレーニングで扱う重量に変化をつけることが重要です。
毎回同じ重量だと身体が慣れてしまいますし、ギリギリの重量ばかりだと疲労がたまり怪我につながりやすいです。
変化のつけ方も様々ですが、一か月前後のサイクルで重量に変化をつけるのがやりやすいのではと思います。
例えば、ベンチプレスの1RMが100kgで、10RMが80kgの人が4週間のサイクルを組んだとします。
1週目 75kg 10回
2週目 77.5kg 10回
3週目 80kg 10回
4週目 82.5kg 10回
このサイクルが成功すると、10RMの重量が80kgから82.5kgに伸びたことになります。
このサイクルであれば、2週目まではそれなりに余力をもってこなすことができると思います。
3週目はベスト記録ですので、コンディションによってはきつくなるかもしれません。
4週目は1~3週目がうまくいっているなら成功するはずです。
もしくは、2、3週間同じ重量で行ったら少し上げてみて、それで重量が伸びていなかったら1、2週間は重量を下げるなどの方法もあります。
1週目 80kg 10回
2週目 80kg 10回
3週目 85kg 8回
4週目 75kg 12回
このやり方だと、特に回数を決めて行うわけではありません。
ですので、毎回ギリギリまで行ってしまうことで、関節に疲労がたまりすぎないように注意してください。
フォーム
高重量トレーニングにおいて、フォームはかなり重要です。
高重量を扱う場合、アップセットを行うと思うのですが、アップから同じフォームで行う必要があります。
なぜなら、その種目の動きを体に覚えこませ、重たくなっても同じフォームで行うことができないと、メインセットで身体がブレたり、可動域が狭くなってしまったりします。
例えば、フルスクワットの1RM100kgの人が、浅くしゃがむハーフスクワットなら120kgを楽にできてしまうかもしれません。
本人が浅くしゃがんでいることを意識できているならまだいいのですが、浅くしゃがんで可動域が狭くなったことを、強くなったと勘違いしてしまうかもしれません。
そうすると、どんどん可動域が狭くなり、正しいフォームで種目を行うことができなくなってしまいます。
スクワットやベンチプレスでも、ほとんどシャフトが動いていないようなフォームで行っている人がたまにいらっしゃいます。
そういった方は、自分のコントロールできる重量を理解されていないのでしょうが、それ以上強くなることはないでしょう。
全ての重量で、同じフォーム、同じ可動域で行えるように心掛けてください。
意識
高重量トレーニングではやはり、「思い切りの良さ」が大切になってくると私は思います。
例えばスクワットで、いざメインセットという時に、「担ぎはここでいいのかな?」「脚の位置は大丈夫かな?」などと考えていては、挙がるものも挙がらないでしょう。
ですから、セットに入る際は「ルーティーン」といって、決まった動作を行います。
スクワットであれば、シャフトを担いでしゃがむまでの動作を決めておくのです。
シャフトは左手から握って、脚は右足から入れて、三歩でスタンスを決めて、など考えなくても動けるように練習します。
プロ野球選手もバッティングまでの動作が決まっている人が多いと思いますが、これはベストなパフォーマンスのために必要なものです。
同じように、ウエイトトレーニングにおいても、自分がベストなパフォーマンスを出せるためのセッティングを毎回のセットで行う必要があります。
アップセットで軽い重量を扱う時から、なるべく同じ動作でセットに入れるように心がけます。
そうすることで、メインセットの重量を扱う時も無心になり、思いっきり動作を行うことができるはずです。
まとめ
今回は、高重量トレーニングのコツについてご紹介させていただきました。
この記事を参考にして、安全に怪我無く重量を伸ばしていってくださいね!