財務諸表論⑳(事業分離等に関する会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

「企業結合に関する会計基準」との関係:

「企業結合に関する会計基準」において示されている「投資の継続・非継続」という考え方によって統一的に行われる

分離先企業の会計処理と分離元企業の会計処理の関係:

分離先企業の会計処理が移転する事業に係る資産及び負債の移転直前の適正な帳簿価額を引き継ぐ場合・・・分離元企業の会計処理においては原則として、移転損益は生じない

分離先企業において、パーチェス法により会計処理する場合・・・移転損益を認識するとは限らない

事業分離における分離元企業の会計処理と、100%子会社を被結合企業とする企業結合における当該被結合企業の株主(親会社)の会計処理は整合する。

分離元企業の会計処理

移転(分離)した事業に関する投資が清算されたとみる場合:

あらためて当該受取対価の時価にて投資を行ったものとする

→現金など、移転した事業と明らかに異なる場合には、投資が清算されたとみなされる

移転(分離)した事業に関する投資がそのまま継続しているとみる場合

受け取る資産の取得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定する

→子会社株式や関連会社株式となる分離先企業の株式のみを対価として受け取る場合には、当該株式を通じて、移転した事業に関する事業投資を引き続き行っていると考えられることから、当該事業に関する投資が継続しているとみなされる

事業分離に要した支出額: 発生時の事業年度の費用として処理

受取対価となる財の時価の測定日: 事業分離日の株価を基礎にして算定

受取対価が現金等の財産のみである場合: 

→個別財務諸表上、いずれの場合も移転損益を認識する

分離先企業が子会社・・・共通支配下の取引に該当し、受け取った現金等の財産は移転前に付された適正な帳簿価額により計上する。

分離先企業が関連会社・・・共通支配下の取引に該当せず、投資が清算されたとみなされる。受け取った現金等の財産は、原則として、時価により計上する。

分離先企業が子会社・関連会社以外・・・投資が清算されたとみなされる。受け取った現金等の財産は、原則として、時価により計上する。

→分離元企業の連結財務諸表上、子会社や関連会社を分離先企業として行った事業分離により認識された移転損益は、内部取引から生じた消去すべき損益である。

受取対価が分離先企業の株式のみである場合:

個別財務諸表上の会計処理

分離先企業が子会社となる場合

投資が継続しているとみなされ移転損益を認識しない

事業分離前に分離先企業の株式保有なし・・・受け取った分離先企業の株式(子会社株式)の取得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定

事業分離前に分離先企業の株式保有あり(売買目的、その他、関連会社)・・・追加的に受け取った分離先企業の株式の取得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定

事業分離前に分離先企業の株式保有あり(子会社株式)・・・追加取得した分離先企業の株式(子会社株式)の取得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定

分離先企業が関連会社となる場合(共同支配企業の形成の場合を除く)も上記に同じ

→支配の喪失を投資の清算とは考えない

連結財務諸表上の会計処理

分離先企業が子会社となる場合

事業分離前に分離先企業の株式保有なし・・・ パーチェス法を適用し、分離元企業(親会社)の事業が移転されたとみなされる額と、移転した事業に係る分離元企業(親会社)の持分の減少額との間に生じる差額については、資本剰余金とする。

事業分離前に分離先企業の株式保有あり(売買目的、その他、関連会社)・・・パーチェス法を適用する際、分離先企業に対して投資したとみなされる額は、追加的に受け取った株式の取得原価と事業分離前に有していた株式の支配獲得時(事業分離日)の時価の合計額とし、 当該時価と、その適正な帳簿価額又はその持分法評価額との差額は、当期の段階取得に係る損益として処理する。

当該投資したとみなされる額と、これに対応する分離先企業の事業分離直前の資本との差額をのれん(又は負ののれん)とする

連結財務諸表上、分離元企業(親会社)の事業が移転されたとみなされる額と、移転した事業に係る分離元企業(親会社)の持分の減少額との間に生じる差額については、資本剰余金とする

事業分離前に分離先企業の株式保有あり(子会社株式)・・・ 追加取得により、子会社に係る分離元企業(親会社)の持分の増加額(追加取得持分)と、移転した事業に係る分離元企業(親会社)の持分の減少額との間に生じる差額については、資本剰余金とする

財務諸表論⑲(企業結合に関する会計基準)

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企業結合に該当する取引の分類:

企業結合に該当する取引・・・

共通支配下の取引

独立企業間の取引 ‐ 共同支配企業の形成、取得

企業結合に該当しない取引・・・

非支配株主との取引

共通支配下の取引に準じる取引(株式移転による持株会社の設立、新設分割による子会社の設立)

企業結合の会計処理:

・結合当時企業に対する株主の観点

持分が継続・・・投資の清算と再投資は行われておらず、これまでの投資は継続している

持分が非継続・・・投資家はいったん投資を清算し、改めて当該資産及び負債に対して投資を行い、それを取得企業に現物で出資したと考えられる

・資産及び負債の評価(投資原価)→投資原価の回収計算(損益計算の観点)

持分が継続・・・企業結合前の帳簿価額(投資原価=従前の投資額)

→当該投資原価を超えて回収できれば、その超過額が企業にとっての利益である

持分が非継続・・・企業結合時点での時価(新たな投資原価=再投資額)

→当該投資原価を超えて回収できれば、その超過額が企業にとっての利益である

パーチェス法の場合の増加資本の処理:

増加資本は払込資本として処理する→取得企業に限って利益剰余金が引き継がれる

パーチェス法の場合の企業結合前の損益の引継ぎ:

取得企業に限って引き継ぐ

取得企業の決定:

「連結財務諸表に関する会計基準」に従う(原則)

「連結財務諸表に関する会計基準」の考え方によっても取得企業が明確でない場合:

①対価の種類が資産の引き渡し又は負債の引き受けの場合

通常、現金若しくは他の資産の引き渡す又は負債を引き受ける企業(結合企業)が取得企業となる

②対価の種類が株式の場合

通常、当該株式を交付する企業(結合企業)が取得企業となる

ただし、以下の要素を総合的に勘案

・総体としての株主が占める相対的な議決権比率の大きさ

・最も大きな議決権比率を有する株主の存在

・取締役等を選解任できる株主の存在

・取締役会等の構成

・株式の交換条件(株式の時価を超えるプレミアムを支払う場合、通常、当該プレミアムを支払った結合当時企業が取得企業となる)

株式の交換による取得の場合における交付した株式の測定日: 企業結合日

・株式以外の対価は企業結合日に測定される

・承継する資産及び負債とその対価である株式の測定日は、銅市であることが整合的

・合意公表日後において条件が見直される可能性もあり、合意公表日では未だ取得原価は確定していない

→取得の対価となる財の時価は、被取得企業の株主が結合後企業に対する実際の議決権比率と同じ比率を保有するのに必要な数の取得企業株式を、取得企業が交付したものとみなして算定する。

被取得企業が取得企業の関連会社であった場合の会計処理:

連結上、支配を獲得した日における時価で取得原価を算定

→支配を獲得するに至った個々の取引ごとの減価の合計額(持分法適用関連会社と企業結合した場合には、持分法による評価額)との差額は、当期の段階取得に係る損益として処理する

取得に要した支出額の会計処理:

取得原価に含めず、発生時の費用として処理

企業結合に係る特別勘定:

企業結合の条件交渉の過程で、被取得企業に関連して発生する可能性のある将来の費用又は損失が取得の対価に反映されている場合には、企業結合に係る特別勘定として負債計上する

仕掛研究開発の取り扱い:

企業結合日における時価に基づいて資産として計上

→取得した研究開発は、たとえ当該資産が将来の収益に結びつく蓋然性が低くても、取引価格はその蓋然性を織り込んで決められていると考えられる

逆取得における個別財務諸表上の会計処理:

消滅会社が取得企業となる吸収合併・・・存続会社の個別財務諸表上、当該取得企業(消滅会社)の資産及び負債を合併直前の適正な帳簿価額により計上する

現物出資会社又は吸収分割会社が取得企業となる現物出資又は吸収分割(現物出資又は吸収分割による子会社化)・・・移転された事業に対する投資は企業結合の前後で継続している→取得企業の個別財務諸表では、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて、被取得企業株式(子会社株式)の取得原価を算定する

完全子会社が取得企業となる株式交換・・・完全親会社の個別財務諸表では、株式交換直前における株主資本の額に基づいて、取得企業株式(完全子会社株式)の取得原価を算定する

株式移転による共同持株会社の設立が取得となる場合・・・完全親会社の個別財務諸表においては、他の被取得企業株式と同様に被取得企業株式も完全子会社株式として扱われるが、完全親会社の連結財務諸表では、企業結合日においていずれかの完全子会社が取得企業となり、当該取得企業(完全子会社)の資産及び負債が企業結合直前の帳簿価額で受け入れられることになる→完全親会社の個別財務諸表上においても、株式移転直前における取得企業(完全子会社)の適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて、取得企業株式(完全子会社株式)の取得原価を算定する

共同支配企業の形成:

共同支配・・・複数の独立した企業が契約等に基づき、ある企業を共同で支配すること

共同支配企業・・・複数の独立した企業により共同で支配される企業

共同支配投資企業・・・共同支配企業を共同で支配する企業

共同支配企業の形成・・・複数の独立した企業が契約等に基づき、共同支配企業を形成する企業結合

共同支配企業の会計処理:

いずれの企業の株主も他の企業を他の企業を支配したとは認められず、持分の結合にあたる→共同支配企業は、共同支配投資企業から移転する資産及び負債を、移転直前に共同支配投資企業において付されていた適正な帳簿価額により計上する

共同支配投資企業の会計処理:

個別財務諸表上・・・共同支配投資企業が受け取った共同支配企業に対する投資の取得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定する

連結財務諸表上・・・共同支配企業に対する投資について持分法を適用する

共通支配下の取引: 結合当時企業の全てが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合

親会社と子会社の合併及び子会社同士の合併は、共通支配下の取引に含まれる

→企業集団内における企業結合である共通支配下の取引は、親会社の立場からは企業集団内における純資産等の移転取引として内部取引と考えられる

個別F/S上の処理:

共通支配下の取引により企業集団内を移転する資産及び負債・・・原則として、移転直前に付されていた適正な帳簿価額により計上する

→親会社と子会社が企業結合する場合において、子会社の資産及び負債の帳簿価額を連結上修正しているときは、親会社が作成する個別財務諸表においては、連結財務諸表上の金額である修正後の帳簿価額(のれんを含む)により計上する

移転された資産及び負債の差額・・・純資産として処理する

移転された資産及び負債 の対価として交付された株式の取得原価・・・移転された資産及び負債の適正な帳簿価額に基づいて算定する

連結F/S上の処理:

内部取引としてすべて消去する

非支配株主との取引:

連結財務諸表上、「連結財務諸表に関する会計基準」における子会社株式の追加取得及び一部売却等の取り扱いに準じて処理する

財務諸表論⑱(連結キャッシュ・フロー等の作成基準)

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資金の範囲:

・現金

・現金同等物・・・容易に換金可能であり、価値の変動について僅少なリスクしか追わない短期投資 (現金同等物として具体的に何を含めるかについては、経営者の判断に委ねられているため、資金の範囲に含めた現金及び現金同等物の内容を会計方針として注記)

キャッシュ・フロー計算書に記載されない取引: 非資金取引及び、現金及び現金同等物相互間の取引

非資金取引・・・

・社債の償還と引き換えによる新株予約権付社債に付された新株予約権の行使

・ファイナンス・リース取引による資産の取得

・株式の発行等による資産の取得又は合併

・現物出資による株式の取得又は資産の交換

現金及び現金同等物相互間の取引 ・・・

・当座預金から普通預金への預け替え

・現金の当座預金への預け入れ

リース取引に係るリース料の表示区分:

借手側の支払いリース料・・・

ファイナンスリース取引、元本返済部分 ‐「財部活動によるキャッシュ・フロー」

ファイナンス・リース取引、利息相当額部分 ‐ 企業が採用した支払利息の表示区分

オペレーティング・リース取引 ‐ 「営業活動によるキャッシュ・フロー」

貸手側の受取リース料・・・

営業損益計算の対象となるリース取引 ‐ 「営業活動によるキャッシュ・フロー」

営業損益計算の対象とならないリース取引、元本返済部分 ‐ 「投資活動によるキャッシュ・フロー」

営業損益計算の対象とならないリース取引、利息相当額部分 ‐ 企業が採用した受取利息の表示区分

デリバティブ取引に係るキャッシュ・フローの表示区分:

特定のリスクを減殺する目的で利用している場合 ‐ 対象となった取引に係るキャッシュ・フローと同一表示区分の同一項目

特定のリスクを減殺する目的以外で利用している場合 ‐ 「投資活動によるキャッシュ・フロー」

資産除去債務のキャッシュ・フロー計算書上の取り扱い:

資産除去債務の履行に係る支出額は「投資活動によるキャッシュ・フロー」に含める(固定資産の取得による支出と同様)

法人税等に係るキャッシュ・フローの表示区分:

「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に「法人税等の支払額」として一括して記載

利息及び配当金に係るキャッシュ・フローの表示区分:

・受取利息、受取配当金及び支払利息を「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に表示し、支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に表示する方法

・受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に表示し、支払利息及び支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に表示する方法

連結範囲の変更等に係るキャッシュ・フロー:

・子会社株式の取得または売却による連結範囲の変更

新たに連結子会社とした場合→取得に伴い支出した現金及び現金同等物の額から、連結開始時に当該子会社が保有していた現金及び現金同等物の額を控除した額をもって「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載

連結から除外した場合→譲渡により取得した現金及び現金同等物の額から、連結除外時点の当該子会社の現金及び現金同等物の残高を控除した額をもって「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載

・子会社株式の追加取得または一部売却

連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得または売却に係るキャッシュ・フローについては、非支配株主との取引として「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載

間接法の「営業活動によるキャッシュ・フロー」における「為替差損益」:

間接法を採用した場合における税金等調整前当期純利益の調整項目として加減算される「為替差損益」は、原則として、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の小計欄以下の各項目又は「営業活動によるキャッシュ・フロー」以外の各表示区分に記載される取引に係る為替差損益である。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の表示方法

原則・・・総額表示

容認・・・期間が短く、かつ回転が速い項目に係るキャッシュ・フロー ‐ 純額表示(総額表示すると、キャッシュ・フローの金額が大きくなり、かえって利用者の判断を誤らせるおそれがある)

例外・・・社債や新株の発行等による資金調達に係るキャッシュ・フロー ‐ 純額表示(発行価額から社債発行費や株式交付費を控除した実質手取額によって表示)

外貨建の現金及び現金同等物に係る為替差損益:

「現金及び現金同等物に係る換算差額」として表示

財務諸表論⑰(包括利益の表示に関する会計基準)

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包括利益を表示する目的:

期中に認識された取引及び経済的事象(資本取引を除く。)により生じた純資産の変動を報告するとともに、その他の包括利益の内訳項目をより明瞭に開示すること

→貸借対照表との連携(純資産と包括利益とのクリーン・サープラス関係)を明示することを通じて、財務諸表の理解可能性と比較可能性を高める効果が得られる

包括利益:

ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分

その他の包括利益:

包括利益のうち当期純利益に含まれない部分

包括利益の計算の表示:

当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を表示する

その他の包括利益の内訳の開示:

その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整額等に区分して表示

持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額については、一括して「持分法適用会社に対する持分相当額」として区分表示する

その他の包括利益の内訳項目に係る税効果額の表示:

原則・・・各内訳項目を税効果を控除した後の金額で表示する

容認・・・各内訳項目を税効果を控除する前の金額で表示する

その他の包括利益に関する注記事項:

・税効果の金額

→その他の包括利益の各内訳項目別の税効果の金額を注記する

・組替調整額

→当期純利益を構成する項目のうち、当期又は過去の期間にその他の包括利益に含まれていた部分は、「組替調整額」として、その他の包括利益の内訳項目ごとに注記する

・その他有価証券評価差額金・・・当期に計上された売却損益及び減損損失等、当期純利益に含められた金額による

・繰延ヘッジ損益・・・ヘッジ対象に係る損益が認識されたこと等に伴って当期純利益に含められた金額による

・為替換算調整勘定・・・子会社に対する持分の減少に伴って取り崩されて当期純利益に含められた金額による

・退職給付に係る調整額・・・「退職給付会計基準」による

2計算書方式の利点: 当期純利益と包括利益とが明確に区別され、当期純利益を重視する考え方との親和性が高い

1計算書方式の利点: 一覧性・明瞭性・理解可能性等の観点から優れている

財務諸表論⑯(外貨建取引等会計基準)

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外貨建新株予約権(発行者側)の換算方法:

発行時の為替相場(将来株主資本又は利益に振り替えられる可能性のある仮勘定であり、外貨建金銭債権債務ではない)

外貨建転換社債型新株予約権付社債の換算方法:

・一括法を採用している場合

発行時・・・HR換算

決算時・・・CR換算(換算差額は当期の為替差損益として処理)

新株予約権の行使時・・・権利行使時の為替相場により換算し、資本金又は資本金及び資本準備金に振替 (換算差額は当期の為替差損益として処理)

・区分法を採用している場合

発行時・・・「外貨建社債の対価部分」、「外貨建て新株予約権の対価部分」、共にHR換算

決算時・・・「 外貨建社債の対価部分」はCR換算(換算差額は当期の為替差損益として処理) 、「外貨建て新株予約権」の対価部分はHR換算

新株予約権の行使時・・・「外貨建社債の対価部分」は権利行使時の為替相場により換算し、資本金又は資本金及び資本準備金に振替(換算差額は当期の為替差損益として処理) 、「外貨建て新株予約権の対価部分」 はHR換算

決済に伴う損益の処理: 二取引基準(外貨建取引と代金決済取引とを独立した別個の取引とみなして会計処理を行う考え方)

・発生時から決済時までの為替相場の変動の影響は「財務損益」として処理される(一取引基準の場合は「営業損益」)

・外貨建取引の「発生時」の為替相場により換算した金額で取引価格が確定する(一取引基準の場合は「決済時」)

・為替相場の変動の影響を独立に開示できる(一取引基準の場合、為替相場の変動を考慮に入れ、その最終的な決済額を見込んで取引条件を決定する場合に適する)

為替予約等の会計処理: 

独立処理(原則) 

振当処理(経過的特例)

→キャッシュフロー・ヘッジと共通する考え方に基づく(ヘッジ会計の一形態)

振り当て処理の対象となる外貨建金銭債権債務等:

為替予約等が振り当て処理されることにより、将来のキャッシュ・フローが固定されるものに限られる(外貨建満期保有目的債権)

→外貨建満期保有目的債券以外の外貨建有価証券は、売却時期が未確定であり、時価の変動により受け取る外貨額が変動することから、為替予約等の振当処理は認められない

在外支店の換算: テンポラル法の考え方による(在外支店の財務諸表は個別財務諸表の構成要素となる)

在外子会社等の換算: 決算日レート法の考え方による(在外子会社等の独立事業体としての性格に着目)

在外子会社等ののれんの換算方法: CR換算(当該在外子会社の他の識別可能資産と同様に在外子会社の現地通貨で発生したものと考えられる)

為替換算調整勘定: 株式所有比率に基づき、親会社持分割合と非支配株主持分割合とに区分して処理

→為替換算調整勘定はいまだ連結上の純損益に計上されていないため、すでに連結上の純損益に計上された取得後利益剰余金等とは異なる性格を持つ

持分変動(減少)により連結子会社の支配を喪失した場合:

→為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額は、株式売却損益を構成し連結損益計算書に計上する

持分変動(減少)によっても連結子会社の支配が継続される場合:

→ 為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額 は資本剰余金に振り替え、損益には含めない

財務諸表論⑮(税効果会計に係る会計基準)

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法人税等の性格: 

費用説(現行)・・・資本主体論と整合的(株主との取引によらない法人税等の支払いは費用としての性質を有する)

利益処分説・・・企業体理論と整合的(国や地方公共団体も企業体を組織する利害関係者に含まれ、企業の内部構成員として位置づけられる)

→法人税等は会社の意思決定に基づいて納税額が決定されるものではなく、税法に定められた納税義務に基づいて、強制力を伴って決定される

税効果会計の適用の必要性:

P/L面・・・法人税等調整額が計上されることにより、法人税等を控除する前の当期純利益と法人税等が合理的に対応する

B/S面・・・繰延税金資産又は繰延税金負債が計上されることにより、将来の法人税等の支払額に対する影響が表示される

税効果会計の方法:

繰延法・・・損益の期間貴族の相違に基づく差異(期間差異)について、発生した年度の当該差異に対する税金軽減額又は税金負担額を差異が解消する年度まで貸借対照表上、繰延税金資産又は繰延税金負債として計上する方法

・期間差異が発生した期間に関心を向け、その際の発生期間における損益計算書上、税引前利益と法人税等との対応を図ることを重視

・現行税率を適用

・税効果額は、法人税等の期間配分の結果として時期以降に繰り延べられる項目を意味する

税効果額の修正は行わない

資産負債法(現行)・・・差異が解消されるときに、税金を減額又は増額させる効果がある場合に、当該差異(一時差異)の発生年度にそれに対する繰延税金資産又は繰延税金負債を計上する方法

・一時差異等がその差異解消期間における実際の税金支払額に対してどれだけの影響を有しているのかを見積もった金額を貸借対照表上表示することを重視

・予測税率を適用

・税効果額は、法人税等の前払額(未払額)に相当する項目を意味する

・税効果額の修正を行う

繰延税金資産の回収可能性の判断要件:

以下の要件のいずれかを満たしているかどうかにより判断

・収益力に基づく課税所得の十分性

・タックスプランニングの存在

・将来加算一時差異の十分性

→繰延税金資産については、将来の回収の見込みについて毎期見直しを行わなければならない

財務諸表論⑭(持分法に関する会計基準)

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関連会社の判定基準: 影響力基準(経済的実質)

連結との比較:

方法:

連結・・・完全連結

持分法・・・一行連結(連結対象科目が一科目(純額))

時価評価範囲:

連結・・・全面時価評価法

持分法・・・部分時価評価法(関連会社を支配しているわけではないため)

段階取得の処理:

連結・・・損益として処理

持分法・・・のれん又は負ののれんとして処理

不随費用の処理:

連結・・・費用として処理

持分法・・・投資原価に含まれる

追加取得や一部売却等の処理:

連結・・・資本剰余金とする

持分法・・・のれん若しくは負ののれん又は売却損益の調整とされる

持分法の適用範囲: 原則、非連結子会社及び関連会社

持分法適用会社の子会社又は関連会社の取り扱い:

非連結子会社・・・持分法の適用範囲に含まれる

→当該非連結子会社がその子会社又は関連会社に対する投資について持分法を適用して認識した損益を当該非連結子会社の損益に含めて計算する

関連会社・・・持分法の適用範囲に含まれない

→ただし、適用する場合は同上

ダウン・ストリームの会計処理:

非連結子会社・・・全額消去

関連会社・・・原則として持分会社の持分相当額を消去

→子会社の場合と異なり、関連会社に対しては財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えているものの、他の支配株主又は主要株主が存在するか、あるいは共同支配を行っているため、未実現損益のうち第三者の持分部分については、連結財務諸表上、実現したものと考えられるため

アップ・ストリームの会計処理:

非連結子会社・・・非連結子会社に対する連結会社の持分相当額を消去

関連会社・・・関連会社に対する連結会社の持分相当額を消去

受取配当金の処理: 収益を計上することなく、当該配当金に相当する額を投資の額から減額する

追加取得及び一部売却等:

追加取得・・・のれん又は負ののれんとして処理

一部売却・・・売却損益の修正として処理

時価発行増資等・・・持分比率が増加:追加取得に準じて処理

          持分比率が減少:一部売却に準じて処理

財務諸表論⑬(連結財務諸表に関する会計基準)

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子会社の判断基準: 支配力基準(経済的実質)

特別目的会社の取り扱い:

次の二要件を満たす特別目的会社については、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定する

①特別目的会社が、適正な価格で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立されていること

②特別目的会社の事業が、①の目的に従って適切に遂行されていると認められること

→この場合、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業から独立しているものと認められる

連結主体論: 親会社説

連結の方法: 全部連結(親会社が意思決定機関の支配を通じて、子会社の全体を支配している)

親子会社間の会計処理の統一:

原則・・・個別財務諸表の作成段階

例外・・・連結財務諸表の作成段階

在外子会社の会計処理の統一:

原則・・・我が国の会計基準に基づき会計処理を統一

容認・・・国際財務報告基準又は米国会計基準に準拠して作成されている場合には、当面の間それらを連結決算手続き上利用することができる

連結貸借対照表の作成基準

子会社の資産及び負債の評価: 全面時価評価法

時価評価の範囲・・・非支配株主持分を含めたすべての持分

時価評価の時点・・・支配獲得日(支配の獲得により、過去に所有していた投資の実態又は本質が変化し、支配獲得時にいったん投資が清算され、改めて投資を行ったものと考えられる)

投資消去差額: 購入(買入)のれん方式

→のれんは、親会社持分についてのみ計上される

・のれんは、法律上の権利ではなく、また、分離して譲渡可能な資産でもないため、他の識別可能資産とは明らかに異なる性質を有する

・非支配株主持分に相当するのれんは自己創設のれんにほかならない

子会社に欠損が生じている場合の会計処理:

子会社の欠損のうち、当該子会社に係る非支配株主持分に割り当てられる額が当該非支配株主持分の負担すべき額を超える場合には、当該超過額は、親会社の持分に負担させる(その後の利益計上時には、親会社が負担した欠損が回収されるまで、その利益の金額を親会社の持分に加算する)

出資を超えた非支配株主持分による負担が合意されている場合には、当該負担額まで府支配株主持分に欠損の負担を行わせる

支配が継続している場合の子会社に対する親会社持分の変動の会計処理:

資本取引として処理

親会社と子会社の支配関係が継続していない場合の一部売却等の会計処理:

・支配を喪失して関連会社になった場合の処理

→連結貸借対照表上、当該関連株式会社の帳簿価額は持分法による投資評価額に修正

のれんの未償却額については、適切な方法に基づき、関連会社として残存する持ち分比率に相当するのれんの未償却額を算定する

・支配を喪失して関連会社にも該当しなくなった場合の処理

→連結財務諸表上、残存する当該被投資会社に対する投資は、個別貸借対照表の帳簿価額をもって評価する

・子会社の時価発行増資等に伴い親会社の持分が増減した場合の会計処理

親会社の払込額と親会社の持分の増減額との間に差額が生じた場合には、当該差額を資本剰余金とする

みなし取得価額及びみなし売却価額の金額については、いったん、従来の持分比率で株式を引き受け、その後に追加取得又は一部売却を行ったものとみなす

「追加取得」とみなす場合のみなし取得価額は、増資額のうち、親会社が従来の持分比率により引き受けたとみなした金額を上回る実際引受額であり、「一部売却」とみなす場合のみなし売却価額は、従来の持分比率により引き受けたとみなした金額を下回る実際引受額である

連結損益計算書の作成基準

未実現損益の消去:

ダウン・ストリーム・・・全額消去・親会社負担方式(個別財務諸表上、損益を計上しているのは、売り手である親会社であるため、未実現損益の全額が企業集団の内部構成員である親会社株主に帰属する)

アップ・ストリーム・・・部分消去・持分按分負担方式(個別財務諸表上、損益を計上しているのは、売り手である子会社であるため、非支配株主が存在する場合、未実現損益は親会社株主と子会社の非支配株主に帰属する)

財務諸表論⑫(研究開発、工事契約)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

研究開発に係る会計基準

研究開発費に係る会計処理:

全ての研究開発費を発生時に費用とする処理(現行)(問題点:資産性を有する経済的資源が貸借対照表に計上されない)

その他の処理:

費用処理または資産計上を任意とする処理(従来)(費用収益対応の原則・・・問題点:企業間の比較可能性)

全ての研究開発費を資産として計上する処理(将来の収益やキャッシュの獲得に貢献・・・問題点:確実性がない)

一定の要件を満たすものについて資産計上を強制(蓋然性基準・・・問題点:判断可能な要件を規定することは困難)

ソフトウェア制作費に係る会計処理:

研究開発目的;発生時費用処理

研究開発目的以外:

販売目的、受注制作:工事契約の会計処理に準じた処理

市場販売目的:最初に製品化された製品マスターの完成までの費用は研究開発費として発生時に費用処理

機能の改良・強化を行う制作活動のための費用は、著しい改良と認められない限り、資産計上

自社利用:将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合に限り、資産として計上

工事契約に関する会計基準

工事契約に係る認識基準:

工事完成基準・・・実現主義(工事契約においては完成・引き渡しを行った時点で、通常、成果の確実性が認められる)

工事進行基準・・・発生主義(一定の条件が整えば当該工事の進捗に応じて対応する部分の成果の確実性が認められる場合がある)

財務諸表論⑪(資産除去債務に関する会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

資産除去債務の会計処理:

資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって発生した時に負債として計上する。

→情報ニーズに対応するため、負債性(貸方)の観点から資産除去債務の全額が計上される(資産負債の両建て処理)

・引当金処理の場合、各期間に費用配分し、それに対応する金額が計上されるため、負債計上が不十分となる

・当該有形固定資産への投資について、回収すべき額を引き上げることを意味する

・除去費用は減価償却を通じて各期に費用配分されるため、引当金処理を包摂する

有形固定資産の除去に要する割引前将来キャッシュ・フロー:

自己の支出見積り(現実には市場の想定する支出額が客観的に明らかでないことが多いため、実務的には大きな相違とならないことが多い)

割引率:

無リスクの利子率(割引前の将来キャッシュ・フローに信用リスクによる加算が含まれていない以上、割引率も無リスクの割引率とすることが整合的である)

資産除去債務に対応する除去費用の資産計上:

関連する有形固定資産の帳簿価額を増加させる方法(資産除去債務に対応する除去費用は、法律上の権利ではなく財産的価値もないこと、また、独立して収益獲得に貢献するものではないことから、別の資産として計上する方法は適切ではない)

資産除去債務の見積の変更:

プロスペクティブ・アプローチ(資産除去債務に係る負債及び関連する有形固定資産の帳簿価額に加減して、減価償却を通じて残存耐用年数にわたり費用配分を行う方法)

割引前将来キャッシュ・フローの見積の変更による調整額に適用する割引率:

割引前将来CFが増加する場合・・・見積変更時点の割引率(キャッシュ・フローの増加部分については、新たな負債の発生と同様のものと考えられる)

割引前将来CFが減少する場合・・・負債計上時点の割引率