財務諸表論⑯(外貨建取引等会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

外貨建新株予約権(発行者側)の換算方法:

発行時の為替相場(将来株主資本又は利益に振り替えられる可能性のある仮勘定であり、外貨建金銭債権債務ではない)

外貨建転換社債型新株予約権付社債の換算方法:

・一括法を採用している場合

発行時・・・HR換算

決算時・・・CR換算(換算差額は当期の為替差損益として処理)

新株予約権の行使時・・・権利行使時の為替相場により換算し、資本金又は資本金及び資本準備金に振替 (換算差額は当期の為替差損益として処理)

・区分法を採用している場合

発行時・・・「外貨建社債の対価部分」、「外貨建て新株予約権の対価部分」、共にHR換算

決算時・・・「 外貨建社債の対価部分」はCR換算(換算差額は当期の為替差損益として処理) 、「外貨建て新株予約権」の対価部分はHR換算

新株予約権の行使時・・・「外貨建社債の対価部分」は権利行使時の為替相場により換算し、資本金又は資本金及び資本準備金に振替(換算差額は当期の為替差損益として処理) 、「外貨建て新株予約権の対価部分」 はHR換算

決済に伴う損益の処理: 二取引基準(外貨建取引と代金決済取引とを独立した別個の取引とみなして会計処理を行う考え方)

・発生時から決済時までの為替相場の変動の影響は「財務損益」として処理される(一取引基準の場合は「営業損益」)

・外貨建取引の「発生時」の為替相場により換算した金額で取引価格が確定する(一取引基準の場合は「決済時」)

・為替相場の変動の影響を独立に開示できる(一取引基準の場合、為替相場の変動を考慮に入れ、その最終的な決済額を見込んで取引条件を決定する場合に適する)

為替予約等の会計処理: 

独立処理(原則) 

振当処理(経過的特例)

→キャッシュフロー・ヘッジと共通する考え方に基づく(ヘッジ会計の一形態)

振り当て処理の対象となる外貨建金銭債権債務等:

為替予約等が振り当て処理されることにより、将来のキャッシュ・フローが固定されるものに限られる(外貨建満期保有目的債権)

→外貨建満期保有目的債券以外の外貨建有価証券は、売却時期が未確定であり、時価の変動により受け取る外貨額が変動することから、為替予約等の振当処理は認められない

在外支店の換算: テンポラル法の考え方による(在外支店の財務諸表は個別財務諸表の構成要素となる)

在外子会社等の換算: 決算日レート法の考え方による(在外子会社等の独立事業体としての性格に着目)

在外子会社等ののれんの換算方法: CR換算(当該在外子会社の他の識別可能資産と同様に在外子会社の現地通貨で発生したものと考えられる)

為替換算調整勘定: 株式所有比率に基づき、親会社持分割合と非支配株主持分割合とに区分して処理

→為替換算調整勘定はいまだ連結上の純損益に計上されていないため、すでに連結上の純損益に計上された取得後利益剰余金等とは異なる性格を持つ

持分変動(減少)により連結子会社の支配を喪失した場合:

→為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額は、株式売却損益を構成し連結損益計算書に計上する

持分変動(減少)によっても連結子会社の支配が継続される場合:

→ 為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額 は資本剰余金に振り替え、損益には含めない

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