売掛金、買掛金について知ろう(簿記3級)

簿記を学習していて、最初につまづくポイントとして、「掛け取引」の学習があります。

売掛金、買掛金という耳慣れない勘定科目になじめず、仕訳を間違えてしまうことも多いかもしれません。

ですが、きっちりと理解しておけば、決して難しくはありません。

この記事を読んでいただければ、簿記3級商品売買の基礎である売掛金、買掛金についてしっかりと押さえらえるでしょう。

商品売買についてまだ勉強を始めておられない方は、こちらから読んでみてくださいね。

簿記3級①(商品売買)

掛け取引とは

もうすでに、現金で商品を仕入れたり、販売したり、という仕訳については学習されたと思います。

今回は、「現金」で商品を売買する取引以外について見ていくことになります。

日常的には現金で買い物をすることが多いかもしれませんが、会社と会社の取引では現金を使わないことが一般的です。

なぜなら、普段から高い頻度で取引を行っている相手とは、取引のたびに現金で支払うのは手間ですし、お金を紛失するなどのリスクも伴います。

よって、一定の期間(一ケ月など)の金額をまとめて支払うということを行います。

よく聞く言葉でいうと、「ツケ」のことですね。

馴染みの飲み屋などで、毎回の飲み代をツケておいてもらい、給料日にまとめて支払う、ということと同じです。

こういった取引を、簿記の言葉では「掛け取引」と言います。

勘定科目としては、仕入れる側が「買掛金(かいかけきん)」、販売する側が「売掛金(うりかけきん)」を使います。

買うから「買掛金」、売るから「売掛金」ということですね。

そして、簿記の五要素では、売掛金は「資産」、買掛金は「負債」となります。

簿記入門編(簿記の五要素とは??)

ですから、取引の八要素で確認しておくと、

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

「売掛金」は増加した際は借方に、「買掛金」は増加した際は貸方に記入することになります。

仕訳例①(買掛金)

では実際の仕訳を見ていきましょう。

まずは、「掛け仕入(かけしいれ)」の仕訳からです。

「当店は商品100を仕入れ、代金は後日支払うこととした」

この場合、まず「仕入」が費用ですので借方側に仕入と記入しましょう。

次に、「代金は後日支払うこととした」とありますので、「掛け」で仕入れたということが分かります。

よって、「買掛金」という負債が100増えたということですので、

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

という仕訳になります。

仕訳例②(売掛金)

同じように、「掛け売上(かけうりあげ)」の仕訳も見ていきましょう。

「当店は商品100を売上げ、代金は後日受け取ることとした」

この場合、まず「売上」が収益ですので貸方側に売上と記入しましょう。

次に、「代金は後日受け取ることとした」とありますので、「掛け」で売り上げたということが分かります。

よって、「売掛金」が100増えますから、

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

という仕訳になります。

現金売買との比較

いまいち売掛金、買掛金が頭に入ってこないという方は、ぜひ、前現金による取引の仕訳と比較して理解するようにしてみてください。

・現金で100円の商品を仕入れた時の仕訳

借方 貸方
仕入 100 現金 100

・現金で商品を100円で販売した時の仕訳

借方 貸方
現金 100 売上 100

こちらの仕訳例の、「現金」があるところに、掛け取引の場合は「買掛金」や「売掛金」を記入することになります。

これは、現金を支払ったり、受け取ったりする代わりに、「後日支払いますよ、という約束」や「後日支払ってもらいますよ、という約束」をしている、ということを意味しています。

まとめ

今回は、「掛け取引」で使用する、「売掛金」と「買掛金」という勘定科目について説明しました。

「掛け取引」は簿記3級の商品売買を学習するうえで、基本となる取引ですので、きっちり理解しておくようにしましょう。

何度も復習するようにしてみてくださいね!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと