財務諸表論⑥(退職給付に関する会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

退職給付会計については、計算、理論、共に覚えることが多いと思います。まずは、個別上の処理を理解したうえで、学習を進められると良いでしょう。また、連結上では、P/L、B/Sそれぞれの視点から理解することが必要となります。

 

退職給付債務の算定方法

発生給付評価方式:

将来の退職給付額を予測し、そのうち当期に発生すると考えられる給付額を算定した上で、それを現時点まで割り引いた額を当期の費用とする方法。

 

退職給付見込み額の見積り

予測給付債務(PBO):

受給権未取得者を含む全従業員について、将来の昇給による給付の増加を見込んで算定した将来退職給付額の割引現在価値。

→現在債務にあたらず、負債の定義を満たさない可能性がある

 

退職給付見込み額のうち期末までに発生していると認められる額の計算

期間定額基準:

全勤務期間で除した額を各期の発生額とする方法

給付算定式基準:

各勤務期間に帰属させた給付に基づき見積もった額を、退職給付見込額の各期の発生額とする方法(勤続年数の増加に伴い、労働サービスが向上するという実態をより表す)

 

年金資産の計上方法

時価評価し、退職給付引当金の計上額の計算にあたって差し引く

 

退職給付費用の算定式

「退職給付費用」=「勤務費用」+「利息費用」-「期待運用収益」±「数理計算上の差異、過去勤務債務に係る当期の費用処理額」

 

個別財務諸表における差異の取り扱い

数理計算上の差異の認識基準

重要性基準:

重要性がなければ差異を認識しない(実務上の負担が軽減)

 

過去勤務費用の意義

退職給付水準の改定等に起因して発生した退職給付債務の増加または減少部分

 

差異の費用処理の開始時期

数理計算上の差異: 原則・・・発生年度  例外・・・発生年度の翌期

過去勤務費用: 発生年度

 

確定給付制度に関する連結財務諸表上の会計処理及び開示

連結貸借対照表における取扱い:

「退職給付に係る負債」=「退職給付債務」-「年金資産」

「退職給付に係る調整累計額」=「未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用」-「税効果額」

 

連結損益計算書及び連結包括利益計算書における取扱い:

「退職給付費用」=「勤務費用」+「利息費用」-「期待運用収益」±「数理計算上の差異、過去勤務費用に係る当期の費用処理額」

「退職給付に係る強制額」=「未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務債務の当期発生額」-「未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の当期費用処理額」

 

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