財務諸表論⑦(金融商品に関する会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

金融商品に関しては、非常に幅広い内容が含まれるので、重要性の高いところから学習されることをお勧めします。まずは、現行制度の考え方として、財務構成要素アプローチが採られているいるということを理解してください。ヘッジ会計など難易度の高い論点に関しては、計算で数字を確認しながら学習されると良いでしょう。

 

金融資産および金融負債の発生及び消滅の認識

金融資産または金融負債自体を対象とする取引(有価証券、デリバティブ取引から生じた正味の債権債務):

約定日基準(双方が未履行の段階で発生を認識)

→時価の変動リスクや信用リスクが契約当事者に生じる

商品の売買又は役務の提供の対価に係る金銭債権債務:

受け渡し日基準(少なくとも一方が履行した段階で発生を認識)

 

契約上の権利に対する支配の移転の要件:

・譲受人の契約上の権利が法的に保全されていること

・契約上の権利を享受できること

・状渡し人が譲渡した金融資産を満期日前に買い戻す権利及び義務を実質的に有していないこと

金融資産の譲渡に係る支配の移転の考え方:

財務構成要素アプローチ(法的形式に着目した判断)

→客観的な判断基準により金融資産の消滅を認識できる

 

ヘッジ会計

ヘッジの種類:

公正価値ヘッジ(相場変動を相殺するヘッジ取引)

キャッシュ・フロー・ヘッジ(キャッシュフローを固定するヘッジ取引)

ヘッジ会計の意義:

ヘッジ対象に係る損益とヘッジ手段に係る損益を同一の会計期間に認識し、ヘッジの効果を会計に反映させる

ヘッジ会計の方法:

繰延ヘッジ(原則)

→繰延ヘッジ損益は、これらに係る繰延税金資産又は繰延税金負債の額を控除した金額で純資産の部に計上する

→繰延ヘッジ損益の損益計上時には、原則としてヘッジ対象の損益区分と同一区分で表示する

時価ヘッジ(例外)

→ヘッジ対象である資産又は負債に係る相場変動等を損益に反映させることができる場合にのみ適用(ヘッジ対象の時価を貸借対照表価格とすることが認められているものに限定→その他有価証券のみ)

 

金利スワップの特例処理:

金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等をヘッジ対象の資産又は負債に係る利息に加減して処理

 

ヘッジ会計の中止:

ヘッジ会計の要件が満たされなくなった時

→ヘッジ手段に係る損益又は評価差額は、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで引き続き繰り延べる

ヘッジ会計の終了:

ヘッジ対象が消滅した時

→ヘッジ手段に係る損益又は評価差額を当期の損益として処理する

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