当座借越ってなに?(簿記3級)

小切手を使った当座取引について勉強していて、たまに問題に出てくる「当座借越」という言葉がよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、当座預金残高がなくなってしまった場合に用いる「当座借越」という勘定科目について説明いたします!

当座預金についての勉強がまだの方は、こちらからご覧ください。

当座預金について知ろう(簿記3級)

当座借越契約とは?

そもそも、当座取引とは、当座預金にお金を預け入れておくことで、小切手を受け取った側が、支払われた代金分だけ当座預金残高から引き出すことができる取引です。

いちいち、取引のたびにお金を持ち歩くのは手間ですし、お金を落としたりというリスクもありますので、小切手に金額を記入するだけで、取引の相手に、「あとはその金額を銀行で引き出してね」と言うことができるわけです。

ですから、当座預金にお金が入っていなければ、小切手を受け取った側はその分の金額を引き出すことができませんし、そもそも取引は成り立ちません。

しかし、日々多くの取引を行っていると、自分の当座預金残高がいくらか常に確認しているわけではないですし、相手も信用して取引を行っているので、いちいち当座預金残高を確認しないはずです。

ですから、当座預金にお金が入っていなければ、小切手を受け取った側はその分の金額を引き出すことができませんし、そもそも取引は成り立ちません。

しかし、日々多くの取引を行っていると、自分の当座預金残高がいくらか常に確認しているわけではないですし、相手も信用して取引を行っているので、いちいち当座預金残高を確認しないはずです。

ですから、当座預金の残高がなくなってしまった時に備えて、銀行と「当座借越契約」というものを結ぶことができます。

これは、当座預金の残高がゼロになったときに、限度内で銀行から借り入れをすることができるというものです。

例えば、当店の当座預金残高が50しかなかった時に、100の支払いをしてしまいました。

その場合、「当座借越契約」を結んでいたなら、50は当店の当座預金残高から支払われ、残りの50は銀行から借り入れて支払われる、ということですね。

仕訳例①

では、仕訳を見ていきましょう。

まずは、基本の当座預金の預入れの仕訳からです。

「取引銀行に預金口座を開設し、当座預金に現金100を預け入れた」

銀行に現金を預け入れた場合、手元の現金が減り、当座預金の残高が増えることとなりますので、

借方 貸方
当座預金 100 現金 100

となります。取引の八要素で確認しておくと、

簿記の取引について理解しよう!

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

当座預金は資産ですから、借方が資産の増加で、貸方も現金が資産なので、資産の減少ですね。

ここで、当店の当座預金残高が100であることを確認してください。

仕訳例②

次に、ここから150の支払いを行った場合を見ていきましょう。100しか残高がありませんので、50足りませんね。

「当店は、買掛金150の支払いとして仕入先に小切手を振出した。ただし、当店は銀行との間で、借越限度額を1,000とする当座借越契約を結んでいる。」

この場合、100は当店の当座預金残高から支払われますが、足りない50は銀行から借り入れて支払われることとなります。

この際、借り入れた50については、「当座借越」という負債の勘定を使います。

借方 貸方
買掛金 150 当座預金 100
  当座借越 50

まず、借方は支払った分の買掛金が減少します。

次に、貸方の当座預金100は、当店の当座預金残高がゼロになったことを意味し、当座借越50は銀行からの借り入れが発生したことを示しています。

取引の八要素で確認しておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は、買掛金150が減っていますので、負債の減少です。

次に借方の当座預金100は、当店の当座預金残高がなくなったことを意味しますから、資産の減少です。

同じく貸方の当座借越50は、銀行からの借り入れが発生したことを示していますので、負債の増加となります。

仕訳例③

最後に、当座預金残高がマイナス(借り入れが発生している)の時に、銀行にお金を預け入れたらどうなるか見ていきましょう。

「当店は、得意先から売掛金100の支払いを受け、代金は直ちに当座預金に預け入れた

まず、支払いを受けた売掛金が減少します。

そして、受け取った代金は、直ちに当座預金に預け入れたわけですから、当座預金を増加させることになります。

しかし、ここでは、当座預金残高が50のマイナスとなっていることを忘れないでください。

借方 貸方
当座借越 50 売掛金 100
当座預金 50  

銀行に100のお金が振り込まれたのですが、そのうち50は銀行からの借り入れを返済するのに使われ、残りの50が当店の当座預金の残高となるわけです。

取引の八要素で見ておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

まず、貸方は売掛金の支払いを受けたので、資産の減少です。

続いて、借方の当座借越50は銀行からの借り入れを返済したわけですから、負債の減少ですね。

当座預金50は残りを当座預金に預け入れたことを意味していますから、資産の増加です。

まとめ

今回は、当座借越について説明させていただきました。

それほど重要ではありませんが、検定試験にたまに出題される勘定科目となります。

当座取引が理解できていることが前提となりますので、そちらもしっかり復習するようにしてくださいね!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

商品売買における、返品と値引きについて知ろう(簿記3級)

返品と値引きは、簿記3級の商品売買の仕訳において、初めて「逆仕訳」が登場します。

最初は戸惑うかもしれませんが、決してむづかしくはないので、しっかり押さえていきましょう。

商品売買、売掛金、買掛金について学習がまだの方はこちらから読んでみてくださいね。

商品売買について知ろう(簿記3級)

売掛金、買掛金について知ろう(簿記3級)

商品売買における、返品と値引きって?

返品、値引きについて学習する内容はそれほど多くありませんので、安心してください。

ですが、これまでの内容が理解できていることが前提となります。それでは、「返品」と「値引き」について見ていきましょう。

皆さんも、これまで買った商品に問題があったなどで、お店に返品しに行ったことがあると思います。

また、買った商品にキズがあり、値引いてもらった経験もあるのではないでしょうか。

これから学習する「返品」と「値引き」も、同じように考えていただいたら結構です。

「返品」とは、購入した商品が注文したものと違ったなどの理由から、その商品そのものを返すことで代金を返してもらうことを言い、「値引き」とは、購入した商品にキズがあったり、注文した数と違うなどの理由から、当初の値段より安く売ってもらうことを言います。

逆仕訳とは?

これから仕訳について見ていきますが、少し特徴的な仕訳をします。

これまで学習した、仕入れ、売上げの際の仕訳を取り消す、という意味で、これまでと逆の仕訳をすることになります。

これを「逆仕訳」と言いますが、今後もこの言葉を目にする機会がありますので、覚えておくと良いでしょう。

また、これまでと同じように「商品売買」ですので、「売る側」「買う側」両方の立場から考えるのを忘れないようにしましょう。

販売する側の仕訳

仕訳例①

では、売る側の仕訳を確認していきます。まずは、復習から。

「商品100を掛けで売り上げた」

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

次に、返品の仕訳を見てきます。

「売上げた商品100のうち、50について品違いのため返品を受けた」

ここで、先ほどの仕訳の「逆仕訳」をすることになります。金額は50ですね。

借方 貸方
売上 50 売掛金 50

では、取引の八要素で確認しておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

簿記の取引について理解しよう!

貸方は、売掛金が減る(受け取ることができる代金が減る)ので、資産の減少ですね。

次に借方ですが、「あれ?ないぞ??」と思われた方がいらっしゃるでしょうか。

そうです、売上げは収益ですが、収益が借方側にくることはほとんどありません。

ですので、取引の八要素には含まれていないんです。

ですが、今回の「返品」「値引き」のように、まれに収益が借方側にくることがあります。

これを「収益の消滅」と言います。(あまり出てこないので重要ではありません)

仕訳例②

続いて、値引きの仕訳も見ていきましょう。

「売上げた商品100について、汚損があり20値引きをすることとした」

これについても「逆仕訳」をしていきます。金額は20です。

借方 貸方
売上 20 売掛金 20

さきほどの「返品」と同じ仕訳ですね。

ですが、繰り返しになりますが、「返品」は商品を返すこと、「値引き」は返すまでもないけど、正規の金額は払えないよ、ということで違いますので、そこは覚えておいてください。

仕入側の仕訳

仕訳例③

では、買う側の仕訳を見ていきます。まずは復習から。

「商品100を掛けで仕入れた」

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

次に返品の仕訳を見ていきましょう。

「仕入れた商品100のうち、50について品違いのため返品した」

ここで「逆仕訳」でしたね。金額は50です。

借方 貸方
買掛金 50 仕入 50

同様に、取引の八要素で確認しておきます

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は、買掛金が減る(支払う金額が減る)ため負債の減少です。

しかし、先ほどと同じように貸方がありませんね?

ここでは、貸方は計上した仕入を取り消しているので、「費用の消滅」となります。(これも特に覚える必要はありません)

仕訳例④

最後に、値引きの仕訳を見ていきましょう。

「仕入れた商品100について、汚損のため20値引きを受けた」

ここでもまた「逆仕訳」をします。金額は20ですね。

借方 貸方
買掛金 20 仕入 20

やはり返品と同じ仕訳になります。

まとめ

今回は、「返品」と「値引き」の仕訳について説明しました。。

逆をするだけですので、覚えてしまえば簡単ですね!

商品売買について知ろう(簿記3級)

簿記の3級の学習を始めて、最初に学習する「商品売買」がいまいちよくわからないという方もいらっしゃると思います。

この記事では、取引の基本となる「商品売買」について正しく理解していただきます。

「商品売買」についての理解が進めば、今後の学習もスムーズにいくはずです!

まだ簿記の学習を始めていないという方は、こちらから読んでみてくださいね。

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

商品売買で使う勘定科目

まずは、商品売買の仕訳で使う勘定科目を確認しましょう。

簿記の商品売買では、「仕入(しいれ)」と「売上(うりあげ)」という勘定科目を使います。

意味は、普段耳にするとおりだと思います。

仕入:商品を買ってくること

売上:商品を誰かに販売すること

商品売買の仕訳を理解しよう

借方と貸方、どっちに記入するの?

簿記の五要素についての理解はできていますか?

勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?

簿記の五要素(資産、負債、純資産、収益、費用)のうち、仕入は「費用」、売上は「収益」に該当します。

続いて、取引の八要素についても見てみましょう。

簿記の取引について理解しよう!

取引の八要素とは、簿記の五要素ごとに、「借方要素」と「貸方要素」とで分けたものです。

今回は、八つの要素のうち、「費用の発生」と「収益の発生」に着目します。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

費用の発生は借方要素、収益の発生は貸方要素ですので、「仕入」は借方、「売上」は貸方に記入します。

ですので、商品売買の仕訳は次のようになります。

・商品を買ってきた時

借方 貸方
仕入○○円 ×××

・商品を販売した時

借方 貸方
××× 売上○○円

この×××の欄に、何で商品を買ったか、もしくは売ったかを記入することになります。

これについて、これから勉強していくことになるのでしっかり覚えておきましょう。

現金で取引した場合の仕訳

それでは、一番基本的な、現金で商品を売ったり買ったりした場合の仕訳を見ていきましょう。

まず、現金100円で商品を仕入れた場合、

借方 貸方
仕入 100 現金 100

となります。借方が「費用の発生」で、貸方は現金が資産となりますから、「資産の減少」ですね。

現金100が減ったことによって、商品100を仕入れることができた、を意味します。

次に、現金100円で商品を売上げた場合、

借方 貸方
現金 100 売上 100

となります。今度は借方が「資産の増加」で、貸方が「収益の発生」ですね。

商品100を売上げたことによって、現金100が増えたことを意味します。

まとめ

今回は、簿記の「商品売買」で使う勘定科目と、現金で取引した場合の仕訳について勉強しました。

少しでも頭がこんがらがったら、「取引の八要素」を確認してください。

とは言ったものの、仕訳を勉強していて、現金が右に来たり、左に来たり、よくわからない!!と思うことがあるかもしれません。

そんな時は、以前の投稿でもご紹介した、「取引の表と裏」について考えてみてください。

会社が仕訳をするタイミングって?

会社で商売をしていると、日々、お金が増えたり減ったりします。

「取引の表と裏」で考えると、お金が減ったことも増えたことも、必ず原因があって起こるはずです。

今回の商品売買では、商品を買ってきたらお金が減ります。

商品を販売したなら、お金が増えます。

つまり、原因と結果を結びつけるのが簿記の仕訳だと考えてください。

例えば、商品を現金で仕入れたなら、

原因 結果
商品を買ってきた(仕入) お金が減った

となりますし、現金で売り上げたなら、

結果 原因
お金が増えた 商品を売上げた(売上)

となります。

仕入れた場合の仕訳だと、原因となる「仕入」は費用で借方要素ですから、結果となるお金が減った、は資産の減少で反対の貸方要素、となります。

一方で、商品を売上げた場合の仕訳だと、原因となる「売上」は収益で貸方要素ですから、結果となるお金が増えた、は資産の増加で反対の借方要素、となります。

このように、簿記の仕訳では必ず、借方と貸方が結び付く仕組みになっています。

ですから、「取引の八要素」も丸暗記するのではなく、一つ一つの取引と関連付けて理解していってみてください。

最初は少し慣れないかもしれませんが、肩の力を抜いてもらえれば自然となじんでくるはずです。

簿記の取引について理解しよう!

簿記の学習を始めて、仕訳や勘定科目が何かはわかるけど、実際に問題を解いてみても、どこに何を記入したらいいのかわからない、これは誰もがぶつかる壁なのではないでしょうか。

この記事では、そういった方のために、簿記の「取引」について説明していきます。

読んでいただければ、仕訳の問題を解くときに迷わなくなるはずです。

簿記の取引とは?

簿記は、会社が行った「取引」について記録しておくためのルールです。

ですから、そもそも会社が行う「取引」とは何なのか知っておく必要があります。

具体例を見てみましょう。

・取引先と今後の取引について、打ち合わせをした

・得意先から商品の代金が振り込まれた

・銀行口座にお金を預け入れた

この三つのうち、「取引」に該当するものはどれでしょう。

簿記上の「取引」に該当するのは、会社の財産が増減した場合に限られます。

一つ目の、「取引先と今後の取引について、打ち合わせをした」場合は、特に何かを渡したり、受け取っているわけではないので、「取引」には該当しません。

二つ目の、「得意先から商品の代金が振り込まれた」が一番わかりやすいでしょう。

代金を受け取っていますので、会社の財産が増加するため、「取引」に該当します。

三つ目の、「銀行口座にお金を預け入れた」は、一見「取引」には該当しないように思われるかもしれませんが、手元の現金減り、それが銀行に移るので、「取引」に該当します。

さて、「会社の財産が増減した場合」とは、より詳しく言うと、簿記の五要素のうち「資産」「負債」「純資産」のどれかが増えるか減るかした場合、となります。

簿記の五要素についてよくわからないという方は、こちらをご覧ください。

勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?

取引の八要素について知ろう

先ほど、「取引」とは会社の財産が増減した場合、より詳しく言うと、簿記の五要素のうち「資産」「負債」「純資産」が増えるか減るかした場合、と説明しました。

これについてより掘り下げていきたいと思います。

仕訳例①

まずは、「銀行からお金を借り入れ、現金100を受け取った」という取引について、仕訳で確認してみましょう。

借方 貸方
現金 100 借入金 100

この仕訳の意味するところとしては、「お金を借りた」という取引によって、会社に「現金100」と「借入金100」が増加した、ということになります。

お金を借りてきたら、現金が増えますが、それと同時に借金も増える、ということですね。

そして、現金は簿記の五要素で分類すると「資産」借入金は「負債」となります。

ここでしっかり押さえていただきたいのは、資産が増加した場合は「借方に記入」し、負債が増加した場合は「貸方に記入」する、ということです。

もう一度、さきほどの仕訳を確認してみてください。

借方の現金100は、資産である現金が100増加したことを意味しています。

一方で、貸方の借入金100は負債である借入金が100増加したことを意味しています。

仕訳例②

続いて、「銀行から借り入れた借入金100を現金で返済した」という取引について仕訳で確認してみましょう。

借方 貸方
借入金 100 現金 100

この仕訳が意味するのは、「お金を返済した」という取引によって、会社に「現金100」と「借入金100」が減少した、ということです。

お金を返したなら、手元の現金は減りますが、借金もなくなりますね。

ここで押さえていただきたいのは、先ほどとは逆に、資産が減少した場合は「貸方に記入」し、負債が減少した場合は「借方に記入」するということです。

もう一度、さきほどの仕訳を確認してみましょう。

貸方の現金100は、資産である現金が100減少したことを意味しています。

一方で、借方の借入金100は負債である借入金が100減少したことを意味しています。

取引の八つの要素とは?

ここまで、お金を借りる、お金を返す、という二つのパターンについて仕訳例を見ながら確認してきました。

この二つの仕訳で登場したのは、現金(資産)と借入金(負債)の二つの勘定科目です。

他にもたくさんの勘定科目が登場しますが、簿記の五要素に分けて、増えた場合と、減った場合に借方、貸方のどちらに記入するか覚えておくと便利です。

資産、負債、純資産の増減、それと費用、収益の発生、これらをまとめて「取引の八要素」と呼びます。

それぞれの勘定科目によって、増えた場合と減った場合で、借方要素なのか貸方要素なのか覚えておくと仕訳問題を解くうえでとても役立ちます。

まとめると以下のようになります。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方、貸方それぞれ四つずつで八要素ということですね。

ちなみに、費用は借方のみ、収益は貸方のみに記入します。(例外あり)

一方で、資産、負債、純資産は、借方、貸方の両方に記入するので、混乱しやすいです。

ですから、まずは上の表に赤字で示した、増加した場合を覚えておくと間違いにくいです。

まとめ

今回は、簿記の学習上の「取引」について説明しました。

取引の八要素については暗記する必要はないので、今後仕訳を学習していく際に理解する手助けとして活用していただければ嬉しいです。

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?

簿記の学習を進めていく上で、現金とか土地とか、たくさんの「勘定科目」が出てきて覚えられない!という方はたくさんいらっしゃると思います。

この記事では、「勘定科目」ってなにをするものなの?という疑問に、勘定科目を理解するうえで大切な「簿記の五要素」を説明しながらお答えいたします。

簿記の五要素を理解することで、「勘定科目」がよりスムーズに覚えられるようになるはずです!

「勘定科目」を覚えていくには、まず仕訳について知っていただく必要がありますので、まだ仕訳がよくわからない、という方はこちらの記事に目を通してみてくださいね。

会社が仕訳をするタイミングって?

勘定科目ってどう使うの?

すでに簿記のテキストを開いたことのある方はご存知かと思いますが、「勘定科目」とは仕訳をする上でなくてはならないものです。

まずは、代表的な勘定科目にどういったものがあるか見ていきましょう!

代表的な勘定科目

勘定科目の代表格として挙げられるのは、やはり「現金」でしょう。

モノを売ったり買ったりするために、なくてはならないものです。

他に、簿記で学習する商売(商品売買)では、商品を買ってきて、お客さんに販売する、という取引を学習します。

その際に用いられる勘定科目は、「仕入」と「売上」です。

まずは、こういった勘定科目を名前だけでも知っておくと良いでしょう。

  • 現金
  • 備品
  • 土地
  • 売上
  • 仕入

勘定科目の使い方

「勘定科目」は仕訳をするためにあります。

仕訳とは、会社が行う取引について「借方」と「貸方」という二つの要素によって表したものです。

ですから、仕訳をするためには、必ず二つ以上の「勘定科目」が必要となります。

例えば、こんな感じになります。

借方 貸方
勘定科目①(○○円) 勘定科目②(○○円)

ざっくりとしたイメージで言うと、借方にある「勘定科目①」が○○円増える(減る)ことによって、貸方にある「勘定科目②」が○○円減った(増えた)ということを示しています。

具体例で見てみましょう。

八百屋さんがお店で売るためのダイコンを100円で仕入れ、現金で支払った、というケースについて仕訳をしてみたいと思います。

この場合、「仕入」と「現金」という二つの勘定科目を使います。

後に詳しく説明するのですが、「仕入」という勘定科目は、通常「借方」(左側)に記入します。

そして、八百屋さんは現金を100円支払いました。

現金が減った、場合は「貸方」(右側)に記入します。

ということで、以下のような仕訳が完成します。

借方 貸方
仕入 100 現金 100

このように、勘定科目を使って仕訳をしていきます。

どちら側に記入するか、は最初は混乱しやすいのですが、それは「簿記の五要素」を理解するとスムーズに覚えられるはずです。

勘定科目と仕訳についてもっと詳しく知るにはこの一冊!

勘定科目を五つに分類しよう!

ここからが非常に重要な話になります。

まずは、勘定科目を五つに分類していきましょう。

  • 資産
  • 負債
  • 純資産
  • 収益
  • 費用

全ての勘定科目は、これらの五つのうちどれかに分類されます。

例えば、先ほど出てきた現金は「資産」に分類されるし、仕入は「費用」に分類されます。

この五つを「簿記の五要素」と呼びます。

簿記のテキストには、「現金とか土地は資産だよ」とか、「仕入とか支払家賃は費用だよ」という漢字で書いてくれているとおものですが、

これを一つ一つ暗記することは、あまり効率的ではありません。

簿記の学習は、会社がする「取引」について覚えていくことです。

ですから大切なことは、新しく取引を勉強した時に、新しく覚えた勘定科目について、それぞれが簿記の五要素のうちどれに分類されるか?を知っておく、ということです。

例えば、先ほどの仕訳の例で見てみましょう

借方 貸方
仕入 100 現金 100

ここで、「仕入」と「現金」という二つの勘定科目が登場しました。

この時、仕入は「費用」現金は「資産」ということを一緒に確認しておきましょう。

なぜなら、のちに詳しく説明するのですが、これを知っておくと、仕入は「費用」だから借方だな、とか現金は「資産」だからそれで支払ったなら貸方だな、

というように、左右どちらに記入するか迷わなくなるからです。

簿記の五要素と仕訳の関係とは?

最後に、簿記の五要素と仕訳の関係についてもう少しだけ詳しく見ていきましょう。

これについては、「取引」について詳しく説明している記事もぜひ参照してみてください。

簿記の取引について理解しよう!

 

さきほど、仕訳とは、会社が行う取引について「借方」と「貸方」という二つの要素によって表したもの、とおつたえしました。

そして、借方と貸方にそれぞれ「勘定科目」を記入していきます。

勘定科目は、借方、貸方のどちらに記入されるかによってその意味が異なります。

まずは、「現金」という勘定科目について見てみましょう。

現金は、簿記の五要素では「資産」に分類されます。

資産は、借方にある場合は増加、貸方にある場合は減少を意味します。

例えば、現金が100円増加した場合だと、

借方 貸方
現金 100 ×××

となりますし、現金が100円減少した場合だと、

借方 貸方
××× 現金 100

となります。

そして、隣の欄(×××となっているところ)には、現金が増加(もしくは減少)した原因となる勘定科目を記入します。

ですから、

借方 貸方
現金 100 現金が増えた原因

もしくは、

借方 貸方
現金が減った原因 現金 100

このようになります。

他の勘定科目も同じように、借方、貸方のどちらに記入すれば増加するか、というのが決まっています。

おススメの覚え方としては、増加する側を覚えてしまう、ということです。

そうすると、反対側にある場合は減少したんだな、とわかります。

まとめると、以下のようになります。

資産 負債
  純資産
費用 収益

まとめ

今回は、勘定科目を理解するうえで大切な「簿記の五要素」について説明させていただきました。

仕訳をするときに必要な、「勘定科目」は五つに分類されます。

そして、全ての勘定科目は借方、貸方いずれに記入されるかによって増加、もしくは減少ます。

まずは、どちらに記入すれば増加するのかをしっかり覚えておいてくださいね!!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

会社が仕訳をするタイミングって?

いざ、簿記のテキストを買って開いて見たものの、よくわからない言葉ばかりでどうしたらいいかわからないし、まず毎回出てくる「仕訳」ってなんなの?と思われる方は多いのではないでしょうか。

今回は簿記を学習していくうえで基本となる「仕訳」って何?ということについて説明します。

この記事を読めば、「仕訳」について具体的なイメージを持っていただけることで、今後の簿記の学習が少しでもスムーズに進められるはずです。

まだ、簿記の学習を始めるか迷っている、という方はこちらの記事をまず読んでみてくださいね。

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

どんな時に仕訳をするの?

会社では、日々様々な業務が行われています。

そのうち、お金などの会社の財産が増えたり減ったりする「取引」については記録しておかなくてはなりません。

そして、簿記とは会社が行う「取引」について「帳簿」というところに記録していくためのルールなのですが、その取引を記録することを「仕訳」をといいます。

「仕訳」という言葉は「し・わけ」とよむので、何かを「分ける」というイメージを持ちませんか?

仕訳を理解するうえで、この一つの出来事を二つに分けて考える、ということはとても大切になります。

取引の「表」と「裏」について知ろう

まず、取引には必ず二つの面がある、ということについてお話していきます。

例えば、あなたが100円のジュースをコンビニで買った時のことを考えてみましょう。

あなたは、100円のジュースを手にするために、財布から100円を出して支払いますね?

これを、表と裏で考えると次のようになります。

(表)ジュースを飲む ⇔(裏)財布から100円がなくなる

このように、取引を二つの面で考えてみましょう。

この表の裏、とは取引をする側にとって、「嬉しいこと」と「嬉しくないこと」で構成されていることが多いです。

先ほどの例で言うと、のどが渇いているのでジュースを飲めることは「嬉しいこと」ですが、財布からあなたの100円がなくなってしまうことは「嬉しくないこと」ですね?

他にも、以下のような例が考えられます。

嬉しいこと 嬉しくないこと
  • 住む家がある
  • 家賃を支払わなくてはならない
  • 給料を受け取る
  • 毎日働かなくてはならない
  • 旅行に行く
  • 旅費を支払う

このように、取引を二つの面から考える癖をつけるようにしてみてください。

借方と貸方って?

先ほど、取引には「表」と「裏」がある、というお話をしましたが、簿記ではこれを借方(かりかた)と貸方(かしかた)という二つの要素によって表します。

先ほどの例で言うと、

(借方)ジュースを飲む ⇔(貸方)財布から100円がなくなる

といった感じになります「借方」「貸方」という言葉の意味についてはあまり深く考えなくて大丈夫です。)

英語を勉強する際、ノートを半分に折って、右側に英単語、左側に日本語訳を書いて、英単語を暗記した方がいらっしゃるかもしれませんが、簿記の「帳簿」も右側が「貸方」左側が「借方」というように分かれています。

そして、先ほど説明した「取引」の表と裏を帳簿の右側と左側、つまり借方と貸方に記入することによって仕訳が完成する、といった形になります。

より実践的に仕訳について学びたい方に、お勧めの本はこちら!

簿記の五要素って?

さきほど、仕訳とは会社が行った「取引」について「帳簿」という場所に記録しておくこと、と説明しました。

そして、帳簿に記録する際に、簿記では「勘定科目」というものを使います。

例えば、ジュースを買ったなら、「現金」という勘定科目が減少することになります。

簿記の学習上、「現金」「土地」「売上」など様々な勘定科目が登場しますが、これらが増えた、減った、ということを仕訳として帳簿に記録します。

そして「勘定科目」は、五つの要素に分かれており、これを「簿記の五要素」と呼びます。

  1. 資産
  2. 負債
  3. 純資産
  4. 収益
  5. 費用

この五つです。なんとなく耳にしたことのある言葉も多いと思います。

全ての勘定科目は、必ずこの五つに分類されます

詳しくはこちらで解説しています。

勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?

複式簿記について知ろう

最後に、「複式簿記」について簡単にご説明したいと思います。

さきほど、取引には「表」と「裏」があり、これを借方(かりかた)と貸方(かしかた)という二つの要素によって表す、ということをお伝えしました。

このように、借方と貸方の二つの要素に分かれている簿記のことを「複式簿記」と呼びます。

この複式簿記に対して、「単式簿記」というものもありますが、これはお小遣い帳のように、お金が増えた、減った、だけを記すシンプルなものです。

これから勉強される「取引」にはそれよりも少しだけ複雑なものもあるので、表と裏の要素がある「複式簿記」を使っていくというわけですね。

まとめ

今回は仕訳について、解説させていただきました。

これからの学習において重要になりますので、繰り返し復習するようにしてくださいね!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

簿記を学習したいけれども、何から始めていいかわからない・・・簿記の勉強を始めたけれども、全く頭に入ってこない・・・こういった方は多いのではないでしょうか?

この記事は、簿記のテキストを買ったもののまだ開いていない、目を通せていない、という方に向けて、簿記って何なの?という疑問にお答えいたします。

この記事を読んでいただければ、簿記の勉強についてのイメージを持っていただけるはずです。

私は以前、職業訓練校で社会人の方たちに簿記の指導をしておりましたが、簿記の学習の最初がスムーズに進んだ方の多くは、検定試験にも合格され、希望した仕事にも就いておられます。

簿記の学習を始めるにあたって、最初に覚えておくべきこと

まず簿記の学習を始めるにあたって、最初に覚えておかなければならないことは、

  1. 「仕訳」
  2. 「勘定科目」
  3. 「取引」

この三つです。

仕訳

まず、「仕訳」についてです。

仕訳って、これから簿記を勉強していく上で当たり前に耳にしていく言葉になります。

ですから、「仕訳」という言葉について最初にイメージを持っておくことはとても大切です。

そもそも、簿記とは会社が行う「取引」について「帳簿」というところに記録していくためのルールなんです。

「取引」については後ほどもう少し説明しますが、とりあえずモノを売ったり買ったりしたことを想像してみてください。

「100円のジュースを買いました」ということを、「帳簿」という場所に記録しておく、これが仕訳です。

詳しくはこちらで解説しています

会社が仕訳をするタイミングって?

勘定科目

続いて、「勘定科目」についてです。

さきほど、仕訳とは会社が行った「取引」について「帳簿」という場所に記録しておくこと、と説明しました。

では、なにをどう記録するか?なんですが、簿記では「勘定科目」というものを使います。

例えば、ジュースを買ったなら、「現金」という勘定科目が減少することになります。

簿記の学習上、「現金」「土地」「売上」など様々な勘定科目が登場します。

勘定科目が決められていることで、誰が見ても理解できるしくみになっているわけですね。

そして「勘定科目」は、五つの要素に分かれています。

これを「簿記の五要素」と呼びます。

  1. 資産
  2. 負債
  3. 純資産
  4. 収益
  5. 費用

この五つです。なんとなく耳にしたことのある言葉も多いと思います。

全ての勘定科目は、必ずこの五つに分類されます。

詳しくはこちらで解説しています。

勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?

取引

最後に、「取引」についてです。

さきほどお伝えした通り、会社における「取引」があったときは必ず帳簿に仕訳をすることになります。

では、「取引」ってなんでしょう?

ここで、押さえていただきたいのが「勘定科目」についてです。

会社における取引が行われると、必ず勘定科目が増えたり減ったりします。

例えば、モノを売れば現金が増える、モノを買えば現金が減りますね。

ですから、取引先と打ち合わせをするなどしたとしても、実際に会社の財産(お金など)が増えるか減るかしなければ「取引」とは呼びません。

つまり、取引=帳簿に記録(仕訳)となりますので、簿記の学習はどのような「取引」が行われるか、についてまず覚えていくことから始まります!

詳しくはこちらで解説しています

簿記の取引について理解しよう!

なぜ、簿記の学習は最初でつまずくのか

簿記の学習が最初の段階でうまくいかない理由は、二つあります。

知らない言葉が多い

これまで、経理の経験をされたことのない方や、学生さんであれば、簿記のテキストを開いてもわからない言葉だらけ、というのは仕方ないことです。

私も簿記の学習を始めるにあたって、市販のテキストを購入し読んでみたのですが、書いてあることがなかなか理解できず苦労しました。

簿記の学習に最初でつまずかないためには、こだわりすぎないことが大切だと思います。

テキストに書いてある一つ一つの内容は意味不明でも、なんとなく学習を続けていけば漠然と理解できてくるということがあるからです。

例えば、英単語を数万と覚えても、恋人に愛情を英語で伝えることは難しいでしょうが、英単語にこだわらず、文法を理解したり例文を繰り返し目にすることで、少しずつ自分の感情を表現できるようになるはずです。

確かに、まじめな人ほど、一つのことを自分のものにしてからでないと、次に進んではいけないのではないか、と思うのかもしれません。

ですが、簿記の学習は決して難しいものではないので、後で戻ってくると「なんだ、そんなことで悩んでいたのか」ということがあると思います。

一つの単元で一週間悩むならば、二つ目、三つ目の単元に時間をかけたほうが、一週間後に最初の単元に戻ってきた時に理解が進んでいた、ということもあります。

ですので、知らない言葉が多すぎて勉強が嫌になりそうなのであれば、言葉がわからないのは当たり前と割り切って、次の学習に進んでみることをお勧めします!

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数字が苦手

簿記のことを全く知らない人であれば、自分は数字が苦手だから、という理由で学習に抵抗を感じられる方もいらっしゃいます。

しかし、学習を進めていくとわかるのですが、簿記の勉強は計算することよりも文章を読むことの方がが多いです。

さきほどお伝えした通り、簿記の学習はどのような「取引」が会社で日常的に行われるかについて覚えていくことから始まります。

実際に計算するのは、簿記の学習がそれなりに進んでからになります。

その計算も、小学校で学習するレベルですし、検定試験では電卓を使用することが認められています。

ですから、数字が苦手、という方も簿記に苦手意識を持つ必要は全くありません。

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これから学習を続けていく上で、知っておいてほしいこと

最後に、これから簿記を学んでいく上で知っていただきたいことは、簿記は決して特別なものじゃないということです。

日本には中小企業が約380万社ほどあるらしいのですが、ほぼすべての会社が基本的に同じルールで記帳をしていると考えて良いでしょう。

これまでの人生で簿記に触れてこなかった方もいらっしゃると思いますが、会社では当たり前に簿記を使っています。

ですので、ぜひ簿記に苦手意識を持つことなく学習を継続していただければと思います。

そうすることで、最短での検定試験合格が見えてくるはずです。

今回は、初めて学習をされる方に向けて、まず最初に知っておいていただきたいことについて説明させていただきました。

まだまだイメージがわきづらい「簿記」かもしれませんが、こちらのブログ記事を一通り読んでいただくことは、必ず検定試験の短期合格の近道になると思いますので、今後もぜひ学習を続けていただけたら幸いです。

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まずはテキストを一通り読み、例題を使って問題になれていきましょう。

テキストを読み終わったら(もしくはテキストと同時進行で)トレーニングの問題を解いて、より実践的な内容に触れていきましょう。

試験直前は、本番形式での練習が必須です!