いざ、簿記のテキストを買って開いて見たものの、よくわからない言葉ばかりでどうしたらいいかわからないし、まず毎回出てくる「仕訳」ってなんなの?と思われる方は多いのではないでしょうか。
今回は簿記を学習していくうえで基本となる「仕訳」って何?ということについて説明します。
この記事を読めば、「仕訳」について具体的なイメージを持っていただけることで、今後の簿記の学習が少しでもスムーズに進められるはずです。
まだ、簿記の学習を始めるか迷っている、という方はこちらの記事をまず読んでみてくださいね。
目次
どんな時に仕訳をするの?
会社では、日々様々な業務が行われています。
そのうち、お金などの会社の財産が増えたり減ったりする「取引」については記録しておかなくてはなりません。
そして、簿記とは会社が行う「取引」について「帳簿」というところに記録していくためのルールなのですが、その取引を記録することを「仕訳」をといいます。
「仕訳」という言葉は「し・わけ」とよむので、何かを「分ける」というイメージを持ちませんか?
仕訳を理解するうえで、この一つの出来事を二つに分けて考える、ということはとても大切になります。
取引の「表」と「裏」について知ろう
まず、取引には必ず二つの面がある、ということについてお話していきます。
例えば、あなたが100円のジュースをコンビニで買った時のことを考えてみましょう。
あなたは、100円のジュースを手にするために、財布から100円を出して支払いますね?
これを、表と裏で考えると次のようになります。
(表)ジュースを飲む ⇔(裏)財布から100円がなくなる
このように、取引を二つの面で考えてみましょう。
この表の裏、とは取引をする側にとって、「嬉しいこと」と「嬉しくないこと」で構成されていることが多いです。
先ほどの例で言うと、のどが渇いているのでジュースを飲めることは「嬉しいこと」ですが、財布からあなたの100円がなくなってしまうことは「嬉しくないこと」ですね?
他にも、以下のような例が考えられます。
嬉しいこと | 嬉しくないこと |
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このように、取引を二つの面から考える癖をつけるようにしてみてください。
借方と貸方って?
先ほど、取引には「表」と「裏」がある、というお話をしましたが、簿記ではこれを借方(かりかた)と貸方(かしかた)という二つの要素によって表します。
先ほどの例で言うと、
(借方)ジュースを飲む ⇔(貸方)財布から100円がなくなる
といった感じになります「借方」「貸方」という言葉の意味についてはあまり深く考えなくて大丈夫です。)
英語を勉強する際、ノートを半分に折って、右側に英単語、左側に日本語訳を書いて、英単語を暗記した方がいらっしゃるかもしれませんが、簿記の「帳簿」も右側が「貸方」左側が「借方」というように分かれています。
そして、先ほど説明した「取引」の表と裏を帳簿の右側と左側、つまり借方と貸方に記入することによって仕訳が完成する、といった形になります。
より実践的に仕訳について学びたい方に、お勧めの本はこちら!
簿記の五要素って?
さきほど、仕訳とは会社が行った「取引」について「帳簿」という場所に記録しておくこと、と説明しました。
そして、帳簿に記録する際に、簿記では「勘定科目」というものを使います。
例えば、ジュースを買ったなら、「現金」という勘定科目が減少することになります。
簿記の学習上、「現金」「土地」「売上」など様々な勘定科目が登場しますが、これらが増えた、減った、ということを仕訳として帳簿に記録します。
そして「勘定科目」は、五つの要素に分かれており、これを「簿記の五要素」と呼びます。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
この五つです。なんとなく耳にしたことのある言葉も多いと思います。
全ての勘定科目は、必ずこの五つに分類されます。
詳しくはこちらで解説しています。
複式簿記について知ろう
最後に、「複式簿記」について簡単にご説明したいと思います。
さきほど、取引には「表」と「裏」があり、これを借方(かりかた)と貸方(かしかた)という二つの要素によって表す、ということをお伝えしました。
このように、借方と貸方の二つの要素に分かれている簿記のことを「複式簿記」と呼びます。
この複式簿記に対して、「単式簿記」というものもありますが、これはお小遣い帳のように、お金が増えた、減った、だけを記すシンプルなものです。
これから勉強される「取引」にはそれよりも少しだけ複雑なものもあるので、表と裏の要素がある「複式簿記」を使っていくというわけですね。
まとめ
今回は仕訳について、解説させていただきました。
これからの学習において重要になりますので、繰り返し復習するようにしてくださいね!