当座借越ってなに?(簿記3級)

小切手を使った当座取引について勉強していて、たまに問題に出てくる「当座借越」という言葉がよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、当座預金残高がなくなってしまった場合に用いる「当座借越」という勘定科目について説明いたします!

当座預金についての勉強がまだの方は、こちらからご覧ください。

当座預金について知ろう(簿記3級)

当座借越契約とは?

そもそも、当座取引とは、当座預金にお金を預け入れておくことで、小切手を受け取った側が、支払われた代金分だけ当座預金残高から引き出すことができる取引です。

いちいち、取引のたびにお金を持ち歩くのは手間ですし、お金を落としたりというリスクもありますので、小切手に金額を記入するだけで、取引の相手に、「あとはその金額を銀行で引き出してね」と言うことができるわけです。

ですから、当座預金にお金が入っていなければ、小切手を受け取った側はその分の金額を引き出すことができませんし、そもそも取引は成り立ちません。

しかし、日々多くの取引を行っていると、自分の当座預金残高がいくらか常に確認しているわけではないですし、相手も信用して取引を行っているので、いちいち当座預金残高を確認しないはずです。

ですから、当座預金にお金が入っていなければ、小切手を受け取った側はその分の金額を引き出すことができませんし、そもそも取引は成り立ちません。

しかし、日々多くの取引を行っていると、自分の当座預金残高がいくらか常に確認しているわけではないですし、相手も信用して取引を行っているので、いちいち当座預金残高を確認しないはずです。

ですから、当座預金の残高がなくなってしまった時に備えて、銀行と「当座借越契約」というものを結ぶことができます。

これは、当座預金の残高がゼロになったときに、限度内で銀行から借り入れをすることができるというものです。

例えば、当店の当座預金残高が50しかなかった時に、100の支払いをしてしまいました。

その場合、「当座借越契約」を結んでいたなら、50は当店の当座預金残高から支払われ、残りの50は銀行から借り入れて支払われる、ということですね。

仕訳例①

では、仕訳を見ていきましょう。

まずは、基本の当座預金の預入れの仕訳からです。

「取引銀行に預金口座を開設し、当座預金に現金100を預け入れた」

銀行に現金を預け入れた場合、手元の現金が減り、当座預金の残高が増えることとなりますので、

借方 貸方
当座預金 100 現金 100

となります。取引の八要素で確認しておくと、

簿記の取引について理解しよう!

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

当座預金は資産ですから、借方が資産の増加で、貸方も現金が資産なので、資産の減少ですね。

ここで、当店の当座預金残高が100であることを確認してください。

仕訳例②

次に、ここから150の支払いを行った場合を見ていきましょう。100しか残高がありませんので、50足りませんね。

「当店は、買掛金150の支払いとして仕入先に小切手を振出した。ただし、当店は銀行との間で、借越限度額を1,000とする当座借越契約を結んでいる。」

この場合、100は当店の当座預金残高から支払われますが、足りない50は銀行から借り入れて支払われることとなります。

この際、借り入れた50については、「当座借越」という負債の勘定を使います。

借方 貸方
買掛金 150 当座預金 100
  当座借越 50

まず、借方は支払った分の買掛金が減少します。

次に、貸方の当座預金100は、当店の当座預金残高がゼロになったことを意味し、当座借越50は銀行からの借り入れが発生したことを示しています。

取引の八要素で確認しておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は、買掛金150が減っていますので、負債の減少です。

次に借方の当座預金100は、当店の当座預金残高がなくなったことを意味しますから、資産の減少です。

同じく貸方の当座借越50は、銀行からの借り入れが発生したことを示していますので、負債の増加となります。

仕訳例③

最後に、当座預金残高がマイナス(借り入れが発生している)の時に、銀行にお金を預け入れたらどうなるか見ていきましょう。

「当店は、得意先から売掛金100の支払いを受け、代金は直ちに当座預金に預け入れた

まず、支払いを受けた売掛金が減少します。

そして、受け取った代金は、直ちに当座預金に預け入れたわけですから、当座預金を増加させることになります。

しかし、ここでは、当座預金残高が50のマイナスとなっていることを忘れないでください。

借方 貸方
当座借越 50 売掛金 100
当座預金 50  

銀行に100のお金が振り込まれたのですが、そのうち50は銀行からの借り入れを返済するのに使われ、残りの50が当店の当座預金の残高となるわけです。

取引の八要素で見ておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

まず、貸方は売掛金の支払いを受けたので、資産の減少です。

続いて、借方の当座借越50は銀行からの借り入れを返済したわけですから、負債の減少ですね。

当座預金50は残りを当座預金に預け入れたことを意味していますから、資産の増加です。

まとめ

今回は、当座借越について説明させていただきました。

それほど重要ではありませんが、検定試験にたまに出題される勘定科目となります。

当座取引が理解できていることが前提となりますので、そちらもしっかり復習するようにしてくださいね!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

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