財務諸表論⑩(リース取引に関する会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

リース取引も重要性の高い論点です。法的形式と経済的実態にそれぞれ着目しながら理解していってください。

所有権移転外ファイナンス・リース取引の会計処理:

通常の売買取引に係る方法(原則)

→ファインス・リース取引については、借り手において資産及び負債を認識する必要性がある。代替的な処理が認められるのは、経済的実質が異なる場合だが、例外処理(通常の賃貸借処理)がほぼすべてを占める状況でった。よって、ファイナンス・リース取引の例外処理は廃止された。

リース資産の償却:

所有権移転ファイナンス・リース取引:耐用年数は経済的使用可能予測機関(リース期間経過後においても、リース物件の耐用年数にわたり使用できる)

所有権移転外ファイナンス・リース取引:耐用年数はリース期間、残存価額ゼロ、定額法等により償却(使用期間がリース期間に限定される)

貸し手側の会計処理:

所有権移転ファイナンス・リース取引・・・リース取引で生じる資産をリース債権として計上(リース料と割安購入選択権の行使価額で回収するため。リース債権は金融商品と考えられる)

所有権移転外ファイナンス・リース取引・・・リース取引で生じる資産をリース投資資産として計上(リース料と見積残存価額により回収するため。)

リース取引がファイナンス・リース取引に該当する場合のセール・アンド・リースバック取引の借り手側の会計処理:

二取引法・・・法的形式を優先し、一取引法(金融取引:担保付借入)ではなく、資産の売却取引+リース取引(複合取引)と考える

売却損益を直ちに当期の損益に計上することには、実現性の観点から問題があるため、長期前払費用又は長期前受収益として繰延処理し、減価償却費に加減して損益に計上する

維持管理費用相当額の取り扱い:

原則としてリース料総額から控除

オペレーティング・リース取引の会計処理:

通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理

商品売買における、返品と値引きについて知ろう(簿記3級)

返品と値引きは、簿記3級の商品売買の仕訳において、初めて「逆仕訳」が登場します。

最初は戸惑うかもしれませんが、決してむづかしくはないので、しっかり押さえていきましょう。

商品売買、売掛金、買掛金について学習がまだの方はこちらから読んでみてくださいね。

商品売買について知ろう(簿記3級)

売掛金、買掛金について知ろう(簿記3級)

商品売買における、返品と値引きって?

返品、値引きについて学習する内容はそれほど多くありませんので、安心してください。

ですが、これまでの内容が理解できていることが前提となります。それでは、「返品」と「値引き」について見ていきましょう。

皆さんも、これまで買った商品に問題があったなどで、お店に返品しに行ったことがあると思います。

また、買った商品にキズがあり、値引いてもらった経験もあるのではないでしょうか。

これから学習する「返品」と「値引き」も、同じように考えていただいたら結構です。

「返品」とは、購入した商品が注文したものと違ったなどの理由から、その商品そのものを返すことで代金を返してもらうことを言い、「値引き」とは、購入した商品にキズがあったり、注文した数と違うなどの理由から、当初の値段より安く売ってもらうことを言います。

逆仕訳とは?

これから仕訳について見ていきますが、少し特徴的な仕訳をします。

これまで学習した、仕入れ、売上げの際の仕訳を取り消す、という意味で、これまでと逆の仕訳をすることになります。

これを「逆仕訳」と言いますが、今後もこの言葉を目にする機会がありますので、覚えておくと良いでしょう。

また、これまでと同じように「商品売買」ですので、「売る側」「買う側」両方の立場から考えるのを忘れないようにしましょう。

販売する側の仕訳

仕訳例①

では、売る側の仕訳を確認していきます。まずは、復習から。

「商品100を掛けで売り上げた」

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

次に、返品の仕訳を見てきます。

「売上げた商品100のうち、50について品違いのため返品を受けた」

ここで、先ほどの仕訳の「逆仕訳」をすることになります。金額は50ですね。

借方 貸方
売上 50 売掛金 50

では、取引の八要素で確認しておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

簿記の取引について理解しよう!

貸方は、売掛金が減る(受け取ることができる代金が減る)ので、資産の減少ですね。

次に借方ですが、「あれ?ないぞ??」と思われた方がいらっしゃるでしょうか。

そうです、売上げは収益ですが、収益が借方側にくることはほとんどありません。

ですので、取引の八要素には含まれていないんです。

ですが、今回の「返品」「値引き」のように、まれに収益が借方側にくることがあります。

これを「収益の消滅」と言います。(あまり出てこないので重要ではありません)

仕訳例②

続いて、値引きの仕訳も見ていきましょう。

「売上げた商品100について、汚損があり20値引きをすることとした」

これについても「逆仕訳」をしていきます。金額は20です。

借方 貸方
売上 20 売掛金 20

さきほどの「返品」と同じ仕訳ですね。

ですが、繰り返しになりますが、「返品」は商品を返すこと、「値引き」は返すまでもないけど、正規の金額は払えないよ、ということで違いますので、そこは覚えておいてください。

仕入側の仕訳

仕訳例③

では、買う側の仕訳を見ていきます。まずは復習から。

「商品100を掛けで仕入れた」

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

次に返品の仕訳を見ていきましょう。

「仕入れた商品100のうち、50について品違いのため返品した」

ここで「逆仕訳」でしたね。金額は50です。

借方 貸方
買掛金 50 仕入 50

同様に、取引の八要素で確認しておきます

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は、買掛金が減る(支払う金額が減る)ため負債の減少です。

しかし、先ほどと同じように貸方がありませんね?

ここでは、貸方は計上した仕入を取り消しているので、「費用の消滅」となります。(これも特に覚える必要はありません)

仕訳例④

最後に、値引きの仕訳を見ていきましょう。

「仕入れた商品100について、汚損のため20値引きを受けた」

ここでもまた「逆仕訳」をします。金額は20ですね。

借方 貸方
買掛金 20 仕入 20

やはり返品と同じ仕訳になります。

まとめ

今回は、「返品」と「値引き」の仕訳について説明しました。。

逆をするだけですので、覚えてしまえば簡単ですね!

前受金、前払金について知ろう(簿記3級)

前受金、前払金という勘定科目は、商品売買を行う際に、先に代金を支払う、もしくは受け取る際に使います。

売掛金や買掛金といったこれまで勉強してきた科目と、少し扱いが違うので、わかりにくいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、前受金と前払金について理解し、正しく仕訳ができるようご説明いたします!

売掛金、買掛金についてまだ勉強されていない方はこちらから読んでみてくださいね。

売掛金、買掛金について知ろう(簿記3級)

前払、前受取り引きとは?

これまで学習してきた商品売買のパターンとは、現金で商品を売ったり買ったりする場合、もしくは第二回目はお金の支払いを後でまとめてする場合、つまり「掛け」での取引でした。

今回は、商品の代金を先にする場合について見ていきたいと思います。

お金の支払いが後だとか、先だとか言われてもあまりピンとこないかもしれませんが、イメージとしては飲食店で食券を買ってから食事する場合は前払い、食事してからお会計する場合は後払い、といった感じです。

さて、これまでに学習した、お金の支払いが後になる取引では、「売掛金」と「買掛金」という勘定科目が登場しました。

「売掛金」が資産で、「買掛金」が負債です。

今回は、お金の支払いを先にする、ということで、「前受金(まえうけきん)」と「前払金(まえばらいきん)」という勘定科目を使います。

商品を販売する側がお金を受け取るので「前受金」仕入れる側はお金を支払うので「前払金」を使います。

そして、少し覚えにくいかもしれないのですが、「前受金」は先にお金を受け取ったので、商品をお客さんに渡す義務があるので「負債」、「前払金」はお金を支払ったので、商品を受け取る権利があるので「資産」となります。

ちなみに、簿記の問題で、「内金(うちきん)」だとか「手付金(てつけきん)」といった言葉が出てきます。

例えば、「手付金として〇〇円を支払った」というように出題されますが、これらの言葉は両方とも商品の代金を先に支払ったことを意味します。

この言葉はここでしか使わないので、ぜひ覚えてしまってください。

仕訳パターン①

先に代金を「受け取る」場合の仕訳例

まずは、先に代金を受け取る場合(販売する側)の仕訳例を見ていきましょう。

「商品100の注文を受け、内金50を現金で受け取った」

ここで、「商品100」に騙されないようにしましょう。あくまで、受け取った金額は内金の50ですから、仕訳は、

借方 貸方
現金 50 前受金 50

となります。この仕訳を取引の八要素で確認しておくと、

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は現金50を受け取っていますから、資産の増加、貸方は前受金50が増えていますから、負債の増加、ですね。

簿記の取引について理解しよう!

先に代金を「支払う」場合の仕訳例

続いて、先に代金を支払う場合(仕入れる側)の仕訳も見ていきましょう。

「商品100を注文し、内金50を現金で支払った」

先ほどと同様に、「商品100」に騙されないでくださいね。支払ったのは内金の50なので、

借方 貸方
前受金 50 現金 50

となります。同じく取引の八要素で確認しておくと、

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

貸方は現金50を支払っているので、資産の減少、借方は前払金50が増えていますから、資産の増加、となります。

その後の取引は?

さて、商品の代金を先に支払う(受け取る)場合の仕訳について見てきましたが、あれ?残りの代金はいつ払うの?と思われるかもしれません。

確かに、商品100を注文しているのに、50しか払っていません。

それでは、残りの金額はどうするのか?について説明していきたいと思います。

これまで確認した仕訳は、

「商品100の注文を受け、内金50を現金で受け取った」

借方 貸方
現金 50 前受金 50

これと、

「商品100を注文し、内金50を現金で支払った」

借方 貸方
前受金 50 現金 50

この二つです。

見ていただいたらわかる通り、いずれの仕訳も商品100を注文しているのに、まだ代金は50しか支払っていません。

残りの代金についてですが、これは商品の「引き渡し時」(もしくはそれ以降)に行うことになります。

「商品の引き渡し」というのは、「お客さんに商品が届いた時」と考えてもらえたら良いのですが、この時に初めて「仕入」や「売上」を計上することになります。

前回確認した仕訳では代金の一部を支払っただけで、まだ商品がお客さんの手元に届いたわけではありません。

ですから、まだ「仕入」、「売上」といった勘定科目は使っていません。

この、「商品の引き渡し」があってから「仕入」「売上」を計上する、という考え方は非常に大事ですので、ぜひ頭の片隅に置いておいてくださいね。

普段コンビニなどで買い物される際は、クレジットカードなどで支払わない限り、「商品の引き渡し」と「代金の支払い」は同時であることがほとんどですが、土地などの不動産や車のように「大きな買い物」を想像してみてください。

「商品の引き渡し」と「代金の支払い」が同時でないことが多いですし、「代金の支払い」が一度とは限りませんよね?

そんな場合、「いつ」仕入、売上を計上するかですが、これは基本的にお客さんにその商品が届いたとき、となります。(土地であれば、そこに自由に建物を建てたりすることができるようになった時、ですね)

難しく考える必要はないのですが、簿記を勉強していく上で、「商品の引き渡し」と「代金の支払い」が同時でないことがある、ということを知っておくと学習がスムーズになると思いますので、ぜひ理解をしておいてください。

仕訳パターン②

商品を「引き渡す」際の仕訳例

では、実際の仕訳を見ていきましょう。

「注文を受けていた商品100を得意先に引き渡し、先日受け取った内金50と相殺した残額を現金で受け取った」

「引き渡し」とありますので、ここで売上を貸方に計上することとなります。

そして、「内金50と相殺」ですので前受金が減少し、残額50は現金で受け取っていますので、

借方 貸方
前受金 50 売上 100
現金 50

借方が二行になっていますが、借方の合計金額と貸方の金額が同じになっているのを確認してください。

このように、簿記の仕訳は一行ずつ、二行ずつとは限りませんが、必ず借方と貸方の合計金額は同じになります。

では、取引の八要素で確認しておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

まず、「商品100を得意先に引き渡しですから、貸方は売上100で収益の発生です。

続いて、前受金50が減っていますので、借方が負債の減少と、現金50を受け取ったので、資産の増加、となります。

同じ借方要素でも、一つの仕訳に「資産の増加」「負債の減少」のように別々のものがあることがあります。

その場合は、簿記の五要素を確認する必要があります。

この仕訳では「前受金」が負債で、「現金」が資産でしたね。

商品を「受け取る」際の仕訳例

続いて、仕入れる側の仕訳も見ていきましょう。

「注文していた商品100を受け取り、先日支払った内金50と相殺した残額は後日支払うこととした

「商品を受け取った」ので、借方に仕入を計上し、「内金50と相殺」ですので、前払金が減少し、残額50は「後日支払うこととした」とありますので、ここでは「買掛金」が増加することとなります。

借方 貸方
仕入 100 前払金 50
買掛金 50

先ほどの仕訳と違い、代金はまだ現金で支払っていないことに注意してください。取引の八要素で確認しておくと、

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は「商品100を受け取り」ですので、仕入100で費用の発生です。

そして、貸方は前払金50が減りますので、資産の減少と、買掛金50が増えていますから、負債の増加です。

先ほどの仕訳と同じ「内金」であっても、受け取る側であれば「前受金」、支払う側であれば「前払金」であることに注意してください。

まとめ

今回は、代金の一部を先に支払う取引で用いる「前払金」「前受金」という二つの勘定科目について説明しました。

これまで学習した内容に比べて、少しだけ仕訳が複雑になったと感じられたかもしれません。

「商品売買」は簿記3級の学習において非常に大切な内容となりますので、今回理解が思うようにできなかった方は、ぜひ「簿記の五要素」「取引の八要素」から繰り返し確認し、自分のものにしていってくださいね!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

売掛金、買掛金について知ろう(簿記3級)

簿記を学習していて、最初につまづくポイントとして、「掛け取引」の学習があります。

売掛金、買掛金という耳慣れない勘定科目になじめず、仕訳を間違えてしまうことも多いかもしれません。

ですが、きっちりと理解しておけば、決して難しくはありません。

この記事を読んでいただければ、簿記3級商品売買の基礎である売掛金、買掛金についてしっかりと押さえらえるでしょう。

商品売買についてまだ勉強を始めておられない方は、こちらから読んでみてくださいね。

簿記3級①(商品売買)

掛け取引とは

もうすでに、現金で商品を仕入れたり、販売したり、という仕訳については学習されたと思います。

今回は、「現金」で商品を売買する取引以外について見ていくことになります。

日常的には現金で買い物をすることが多いかもしれませんが、会社と会社の取引では現金を使わないことが一般的です。

なぜなら、普段から高い頻度で取引を行っている相手とは、取引のたびに現金で支払うのは手間ですし、お金を紛失するなどのリスクも伴います。

よって、一定の期間(一ケ月など)の金額をまとめて支払うということを行います。

よく聞く言葉でいうと、「ツケ」のことですね。

馴染みの飲み屋などで、毎回の飲み代をツケておいてもらい、給料日にまとめて支払う、ということと同じです。

こういった取引を、簿記の言葉では「掛け取引」と言います。

勘定科目としては、仕入れる側が「買掛金(かいかけきん)」、販売する側が「売掛金(うりかけきん)」を使います。

買うから「買掛金」、売るから「売掛金」ということですね。

そして、簿記の五要素では、売掛金は「資産」、買掛金は「負債」となります。

簿記入門編(簿記の五要素とは??)

ですから、取引の八要素で確認しておくと、

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

「売掛金」は増加した際は借方に、「買掛金」は増加した際は貸方に記入することになります。

仕訳例①(買掛金)

では実際の仕訳を見ていきましょう。

まずは、「掛け仕入(かけしいれ)」の仕訳からです。

「当店は商品100を仕入れ、代金は後日支払うこととした」

この場合、まず「仕入」が費用ですので借方側に仕入と記入しましょう。

次に、「代金は後日支払うこととした」とありますので、「掛け」で仕入れたということが分かります。

よって、「買掛金」という負債が100増えたということですので、

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

という仕訳になります。

仕訳例②(売掛金)

同じように、「掛け売上(かけうりあげ)」の仕訳も見ていきましょう。

「当店は商品100を売上げ、代金は後日受け取ることとした」

この場合、まず「売上」が収益ですので貸方側に売上と記入しましょう。

次に、「代金は後日受け取ることとした」とありますので、「掛け」で売り上げたということが分かります。

よって、「売掛金」が100増えますから、

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

という仕訳になります。

現金売買との比較

いまいち売掛金、買掛金が頭に入ってこないという方は、ぜひ、前現金による取引の仕訳と比較して理解するようにしてみてください。

・現金で100円の商品を仕入れた時の仕訳

借方 貸方
仕入 100 現金 100

・現金で商品を100円で販売した時の仕訳

借方 貸方
現金 100 売上 100

こちらの仕訳例の、「現金」があるところに、掛け取引の場合は「買掛金」や「売掛金」を記入することになります。

これは、現金を支払ったり、受け取ったりする代わりに、「後日支払いますよ、という約束」や「後日支払ってもらいますよ、という約束」をしている、ということを意味しています。

まとめ

今回は、「掛け取引」で使用する、「売掛金」と「買掛金」という勘定科目について説明しました。

「掛け取引」は簿記3級の商品売買を学習するうえで、基本となる取引ですので、きっちり理解しておくようにしましょう。

何度も復習するようにしてみてくださいね!

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

商品売買について知ろう(簿記3級)

簿記の3級の学習を始めて、最初に学習する「商品売買」がいまいちよくわからないという方もいらっしゃると思います。

この記事では、取引の基本となる「商品売買」について正しく理解していただきます。

「商品売買」についての理解が進めば、今後の学習もスムーズにいくはずです!

まだ簿記の学習を始めていないという方は、こちらから読んでみてくださいね。

簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと

商品売買で使う勘定科目

まずは、商品売買の仕訳で使う勘定科目を確認しましょう。

簿記の商品売買では、「仕入(しいれ)」と「売上(うりあげ)」という勘定科目を使います。

意味は、普段耳にするとおりだと思います。

仕入:商品を買ってくること

売上:商品を誰かに販売すること

商品売買の仕訳を理解しよう

借方と貸方、どっちに記入するの?

簿記の五要素についての理解はできていますか?

勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?

簿記の五要素(資産、負債、純資産、収益、費用)のうち、仕入は「費用」、売上は「収益」に該当します。

続いて、取引の八要素についても見てみましょう。

簿記の取引について理解しよう!

取引の八要素とは、簿記の五要素ごとに、「借方要素」と「貸方要素」とで分けたものです。

今回は、八つの要素のうち、「費用の発生」と「収益の発生」に着目します。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

費用の発生は借方要素、収益の発生は貸方要素ですので、「仕入」は借方、「売上」は貸方に記入します。

ですので、商品売買の仕訳は次のようになります。

・商品を買ってきた時

借方 貸方
仕入○○円 ×××

・商品を販売した時

借方 貸方
××× 売上○○円

この×××の欄に、何で商品を買ったか、もしくは売ったかを記入することになります。

これについて、これから勉強していくことになるのでしっかり覚えておきましょう。

現金で取引した場合の仕訳

それでは、一番基本的な、現金で商品を売ったり買ったりした場合の仕訳を見ていきましょう。

まず、現金100円で商品を仕入れた場合、

借方 貸方
仕入 100 現金 100

となります。借方が「費用の発生」で、貸方は現金が資産となりますから、「資産の減少」ですね。

現金100が減ったことによって、商品100を仕入れることができた、を意味します。

次に、現金100円で商品を売上げた場合、

借方 貸方
現金 100 売上 100

となります。今度は借方が「資産の増加」で、貸方が「収益の発生」ですね。

商品100を売上げたことによって、現金100が増えたことを意味します。

まとめ

今回は、簿記の「商品売買」で使う勘定科目と、現金で取引した場合の仕訳について勉強しました。

少しでも頭がこんがらがったら、「取引の八要素」を確認してください。

とは言ったものの、仕訳を勉強していて、現金が右に来たり、左に来たり、よくわからない!!と思うことがあるかもしれません。

そんな時は、以前の投稿でもご紹介した、「取引の表と裏」について考えてみてください。

会社が仕訳をするタイミングって?

会社で商売をしていると、日々、お金が増えたり減ったりします。

「取引の表と裏」で考えると、お金が減ったことも増えたことも、必ず原因があって起こるはずです。

今回の商品売買では、商品を買ってきたらお金が減ります。

商品を販売したなら、お金が増えます。

つまり、原因と結果を結びつけるのが簿記の仕訳だと考えてください。

例えば、商品を現金で仕入れたなら、

原因 結果
商品を買ってきた(仕入) お金が減った

となりますし、現金で売り上げたなら、

結果 原因
お金が増えた 商品を売上げた(売上)

となります。

仕入れた場合の仕訳だと、原因となる「仕入」は費用で借方要素ですから、結果となるお金が減った、は資産の減少で反対の貸方要素、となります。

一方で、商品を売上げた場合の仕訳だと、原因となる「売上」は収益で貸方要素ですから、結果となるお金が増えた、は資産の増加で反対の借方要素、となります。

このように、簿記の仕訳では必ず、借方と貸方が結び付く仕組みになっています。

ですから、「取引の八要素」も丸暗記するのではなく、一つ一つの取引と関連付けて理解していってみてください。

最初は少し慣れないかもしれませんが、肩の力を抜いてもらえれば自然となじんでくるはずです。