簿記の学習をしていく上で、お金の貸し借りの仕訳について学ばれると思います。
決して複雑ではないのですが、簿記の五要素(資産、負債、純資産、収益、費用)について理解していなければミスをしてしまうこともあります。
勘定科目を知るうえで大切な簿記の五要素とは?
今回は、「貸付金」「借入金」の仕訳について説明します!
目次
お金の貸し借りと利息について
今回は、お店が営業を行っていく上で必要な「お金の貸し借り」について学習します。
お金を貸す場合は「貸付金(かしつけきん)」という資産勘定を、借りる場合は「借入金(かりいれきん)」という負債勘定を使います。
そして、お金を貸し借りする場合は通常「利息」が発生します。
利息を支払う側は「支払利息」という費用勘定を、受け取る側は「受取利息」という収益勘定を使います。
仕訳例①(貸し付け)
まずは、貸し付けに関する仕訳を見ていきましょう!
「A社はB商店に現金100を貸し付けた」
借方 | 貸方 |
貸付金 100 | 現金 100 |
現金を貸し付けたA社は貸付金(資産)が増加する代わり、手元から現金が失われます。
ですので、取引の八要素では、
簿記の取引について理解しよう!
(借方要素) | (貸方要素) |
資産の増加 | 資産の減少 |
負債の減少 | 負債の増加 |
純資産の減少 | 純資産の増加 |
費用の発生 | 収益の発生 |
借方が資産の増加、貸方は資産の減少です。
仕訳例②(貸付金の返済)
次は、貸付けた現金の返済を受けた場合の仕訳です。
「A社はB商店から貸付金100の返済につき、利息5とともに支払いを受けた」
借方 | 貸方 |
現金 105 | 貸付金 100 |
受取利息 5 |
貸したお金の返済を受けたので、貸付金という「債権」(お金を請求する権利)が消滅します。
取引の八要素では、借方が資産の増加、貸方は、貸付金100が資産の減少、受取利息5が収益の発生となります。
仕訳例③(借入れ)
続いて、お金を借りた側の仕訳を見ていきましょう。
「B社は銀行から現金100を借り入れた」
借方 | 貸方 |
現金 100 | 借入金 100 |
現金を借り入れることで、手元の現金が増加するとともに借入金(負債)も増加します。
取引の八要素では、借方が資産の増加、貸方は負債の増加です。
仕訳例④(借入金の返済)
最後は、借りたお金を返済する際の仕訳です。
「B社は、借入金100の返済に際し、利息5とともに銀行に支払った」
借方 | 貸方 |
借入金 100 | 現金 105 |
支払利息 5 |
借りたお金を返したので、借入金という「債務」(お金を支払う義務)が消滅します。
取引の八要素では、借方は、借入金100が負債の減少、支払利息5は費用の発生、貸方は資産の減少ですね。
利息の計算について
さて、検定試験では、利息の計算をしなくてはいけない場合もあります。
通常、利息は「日割計算」で行います。
つまり、一年間の利息(年利)が○○%と決まっていて、それを365日で割り、借りた日数をかけて支払う利息を計算するということですね。
例えば、年利7.3%で100,000円を50日借り入れた場合、支払う利息は、
100,000 × 7.3/100 × 50/365 = 1,000円
となります。
もし、月割計算で出題された場合、12か月で割り、借りた月数を掛けます。
例えば、年利5%で100,000を3か月借りたならば、支払う利息は、
100,000 × 5/100 × 3/12 = 1,250円
利息の金額が与えられることもありますが、計算させる場合もありますので、ぜひ覚えておいてください!!
まとめ
今回は、貸付金、借入金の仕訳について説明しました。
利息の計算も出題されたらミスなく解答できるよう、しっかり復習しておいてくださいね!
簿記の学習を始めるにあたって、まず知っておくべきこと