決算について知ろう(簿記3級)

簿記3級の検定試験対策で、やはり一番苦労されるのが「決算」についての学習だと思います。

検定試験でも配点が大きいので、取りこぼしのないようにしたいところです。

ですが、聞きなれない言葉や、馴染みのない処理が多いので、なかなかスムーズに理解が進まないかもしれません。

この記事では、簿記3級における決算の全体像について解説します。

読んでいただければ、決算の学習がやりやすくなるはずです!

決算とは?

これまで学習されてきたのは、商品売買など「日常の取引」についてだったと思います。

日常の取引とは、日々、会社やお店を営業していく上で必要な記帳のことです。

「決算」の仕訳はそれらとは違い、日常的にはあまり目にしないものになります。

「決算」とは、通常一年である「会計期間(かいけいきかん)」の締めくくりとして、経営成績や財政状態を知るために、帳簿を締め切ることを言います。

その一年間で、どのくらいのもうけが得られたのか、現在どのくらいの財産を持っているのか、などを知るために様々な処理をする必要があります。

これまで見てきた「日常の取引」の仕訳と違い、決算に際して「決算整理(けっさんせいり)」を行う必要があるのですが、そのために行う仕訳を「決算整理仕訳(けっさんせいりしわけ)」と呼びます。

簿記3級の決算整理仕訳について

3級で出題される「決算整理仕訳」は以下の6つです。

現金過不足の整理

現金過不足の整理とは(簿記3級、決算)

「現金過不足」とは、その名の通り、現金が多い、少ない、ことを意味します。

決算日において、帳簿上「現金過不足」があった場合、現金の残高を訂正するための仕訳をする必要があります。

消耗品の整理

消耗品の整理とは(簿記3級、決算)

「消耗品」とは、鉛筆やコピー用紙などの事務用品やトイレットペーパーなど、言葉通りオフィスなどで日々消耗する品のことをいいます。

決算日において、期中に購入した消耗品のうち、未使用のものどれだけあるか調べ、使用済みのものは「消耗品費(しょうもうひんひ)」という費用勘定として、未使用のものは「消耗品(しょうもうひん)」という資産勘定として整理しなくてはいけません。

売上原価の計算

売上原価の計算について知ろう(簿記3級、決算)

「売上原価(うりあげげんか)」とは、売上に対する原価を意味します

つまり、販売したものについての金額を売上原価として計算する必要があります。

ですから、決算整理仕訳として、一年間に仕入れた商品のうち、販売したものは売上原価に、売れ残った在庫は繰越商品に振替えなくてはいけません

貸倒引当金の計上

貸倒引当金について知ろう(簿記3級、決算)

「貸倒れ」とは、貸していたお金や支払ってもらうはずの代金などを回収できなくなることを意味します。

そして、「貸倒引当金」とは、決算日における売上債権の残高に対し、来年一年間でどのくらい貸倒れるか見積もった金額を言います。

ですから決算整理仕訳では、見積もった貸倒引当金を計上する必要があります。

減価償却費の計上

減価償却費について知ろう(簿記3級、決算)

「減価償却(げんかしょうきゃく)」とは、建物や備品などの使用とともに価値が減少する固定資産について、決算日に減少した価値分を費用として計上する手続きになります。

決算整理仕訳として、一年間に減少した固定資産の価値を減価償却費として計上する必要があります。

収益、費用の見越し、繰延べ

収益、費用の見越し、繰延べについて知ろう(簿記3級、決算)

収益、費用の中には、「支払家賃」や「支払利息」など、○○か月でいくら、と時間の経過によって発生するものがあります。

このように、「時間の流れとともに発生する収益、費用」については、支払うタイミングが「先払い」か「後払い」かによって、決算整理で調整する必要があります。

これを「収益、費用の見越し」と言います。

まとめ

今回は、簿記3級で学習する「決算」の内容について説明しました。

あまり、見慣れないものばかりかもしれません。

これらの仕訳は、商品の仕入れや売上げのように、日常的に行うには適さないものばかりですので、一年間の締めくくりとして、一年分の処理を行うことになります。

「決算整理仕訳」に関しては、3級の試験でほぼすべてが出題されますので、検定試験までには必ずすべての仕訳について理解する必要があります。

ただ、覚えることは6つしかありませんので、時間をかけて学んでいただければ、必ず点数を稼げるはずです!

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