財務諸表論⑰(包括利益の表示に関する会計基準)

(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)

包括利益を表示する目的:

期中に認識された取引及び経済的事象(資本取引を除く。)により生じた純資産の変動を報告するとともに、その他の包括利益の内訳項目をより明瞭に開示すること

→貸借対照表との連携(純資産と包括利益とのクリーン・サープラス関係)を明示することを通じて、財務諸表の理解可能性と比較可能性を高める効果が得られる

包括利益:

ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分

その他の包括利益:

包括利益のうち当期純利益に含まれない部分

包括利益の計算の表示:

当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を表示する

その他の包括利益の内訳の開示:

その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整額等に区分して表示

持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額については、一括して「持分法適用会社に対する持分相当額」として区分表示する

その他の包括利益の内訳項目に係る税効果額の表示:

原則・・・各内訳項目を税効果を控除した後の金額で表示する

容認・・・各内訳項目を税効果を控除する前の金額で表示する

その他の包括利益に関する注記事項:

・税効果の金額

→その他の包括利益の各内訳項目別の税効果の金額を注記する

・組替調整額

→当期純利益を構成する項目のうち、当期又は過去の期間にその他の包括利益に含まれていた部分は、「組替調整額」として、その他の包括利益の内訳項目ごとに注記する

・その他有価証券評価差額金・・・当期に計上された売却損益及び減損損失等、当期純利益に含められた金額による

・繰延ヘッジ損益・・・ヘッジ対象に係る損益が認識されたこと等に伴って当期純利益に含められた金額による

・為替換算調整勘定・・・子会社に対する持分の減少に伴って取り崩されて当期純利益に含められた金額による

・退職給付に係る調整額・・・「退職給付会計基準」による

2計算書方式の利点: 当期純利益と包括利益とが明確に区別され、当期純利益を重視する考え方との親和性が高い

1計算書方式の利点: 一覧性・明瞭性・理解可能性等の観点から優れている

財務諸表論⑯(外貨建取引等会計基準)

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外貨建新株予約権(発行者側)の換算方法:

発行時の為替相場(将来株主資本又は利益に振り替えられる可能性のある仮勘定であり、外貨建金銭債権債務ではない)

外貨建転換社債型新株予約権付社債の換算方法:

・一括法を採用している場合

発行時・・・HR換算

決算時・・・CR換算(換算差額は当期の為替差損益として処理)

新株予約権の行使時・・・権利行使時の為替相場により換算し、資本金又は資本金及び資本準備金に振替 (換算差額は当期の為替差損益として処理)

・区分法を採用している場合

発行時・・・「外貨建社債の対価部分」、「外貨建て新株予約権の対価部分」、共にHR換算

決算時・・・「 外貨建社債の対価部分」はCR換算(換算差額は当期の為替差損益として処理) 、「外貨建て新株予約権」の対価部分はHR換算

新株予約権の行使時・・・「外貨建社債の対価部分」は権利行使時の為替相場により換算し、資本金又は資本金及び資本準備金に振替(換算差額は当期の為替差損益として処理) 、「外貨建て新株予約権の対価部分」 はHR換算

決済に伴う損益の処理: 二取引基準(外貨建取引と代金決済取引とを独立した別個の取引とみなして会計処理を行う考え方)

・発生時から決済時までの為替相場の変動の影響は「財務損益」として処理される(一取引基準の場合は「営業損益」)

・外貨建取引の「発生時」の為替相場により換算した金額で取引価格が確定する(一取引基準の場合は「決済時」)

・為替相場の変動の影響を独立に開示できる(一取引基準の場合、為替相場の変動を考慮に入れ、その最終的な決済額を見込んで取引条件を決定する場合に適する)

為替予約等の会計処理: 

独立処理(原則) 

振当処理(経過的特例)

→キャッシュフロー・ヘッジと共通する考え方に基づく(ヘッジ会計の一形態)

振り当て処理の対象となる外貨建金銭債権債務等:

為替予約等が振り当て処理されることにより、将来のキャッシュ・フローが固定されるものに限られる(外貨建満期保有目的債権)

→外貨建満期保有目的債券以外の外貨建有価証券は、売却時期が未確定であり、時価の変動により受け取る外貨額が変動することから、為替予約等の振当処理は認められない

在外支店の換算: テンポラル法の考え方による(在外支店の財務諸表は個別財務諸表の構成要素となる)

在外子会社等の換算: 決算日レート法の考え方による(在外子会社等の独立事業体としての性格に着目)

在外子会社等ののれんの換算方法: CR換算(当該在外子会社の他の識別可能資産と同様に在外子会社の現地通貨で発生したものと考えられる)

為替換算調整勘定: 株式所有比率に基づき、親会社持分割合と非支配株主持分割合とに区分して処理

→為替換算調整勘定はいまだ連結上の純損益に計上されていないため、すでに連結上の純損益に計上された取得後利益剰余金等とは異なる性格を持つ

持分変動(減少)により連結子会社の支配を喪失した場合:

→為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額は、株式売却損益を構成し連結損益計算書に計上する

持分変動(減少)によっても連結子会社の支配が継続される場合:

→ 為替換算調整勘定のうち持分比率の減少割合相当額 は資本剰余金に振り替え、損益には含めない

財務諸表論⑮(税効果会計に係る会計基準)

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法人税等の性格: 

費用説(現行)・・・資本主体論と整合的(株主との取引によらない法人税等の支払いは費用としての性質を有する)

利益処分説・・・企業体理論と整合的(国や地方公共団体も企業体を組織する利害関係者に含まれ、企業の内部構成員として位置づけられる)

→法人税等は会社の意思決定に基づいて納税額が決定されるものではなく、税法に定められた納税義務に基づいて、強制力を伴って決定される

税効果会計の適用の必要性:

P/L面・・・法人税等調整額が計上されることにより、法人税等を控除する前の当期純利益と法人税等が合理的に対応する

B/S面・・・繰延税金資産又は繰延税金負債が計上されることにより、将来の法人税等の支払額に対する影響が表示される

税効果会計の方法:

繰延法・・・損益の期間貴族の相違に基づく差異(期間差異)について、発生した年度の当該差異に対する税金軽減額又は税金負担額を差異が解消する年度まで貸借対照表上、繰延税金資産又は繰延税金負債として計上する方法

・期間差異が発生した期間に関心を向け、その際の発生期間における損益計算書上、税引前利益と法人税等との対応を図ることを重視

・現行税率を適用

・税効果額は、法人税等の期間配分の結果として時期以降に繰り延べられる項目を意味する

税効果額の修正は行わない

資産負債法(現行)・・・差異が解消されるときに、税金を減額又は増額させる効果がある場合に、当該差異(一時差異)の発生年度にそれに対する繰延税金資産又は繰延税金負債を計上する方法

・一時差異等がその差異解消期間における実際の税金支払額に対してどれだけの影響を有しているのかを見積もった金額を貸借対照表上表示することを重視

・予測税率を適用

・税効果額は、法人税等の前払額(未払額)に相当する項目を意味する

・税効果額の修正を行う

繰延税金資産の回収可能性の判断要件:

以下の要件のいずれかを満たしているかどうかにより判断

・収益力に基づく課税所得の十分性

・タックスプランニングの存在

・将来加算一時差異の十分性

→繰延税金資産については、将来の回収の見込みについて毎期見直しを行わなければならない

財務諸表論⑭(持分法に関する会計基準)

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関連会社の判定基準: 影響力基準(経済的実質)

連結との比較:

方法:

連結・・・完全連結

持分法・・・一行連結(連結対象科目が一科目(純額))

時価評価範囲:

連結・・・全面時価評価法

持分法・・・部分時価評価法(関連会社を支配しているわけではないため)

段階取得の処理:

連結・・・損益として処理

持分法・・・のれん又は負ののれんとして処理

不随費用の処理:

連結・・・費用として処理

持分法・・・投資原価に含まれる

追加取得や一部売却等の処理:

連結・・・資本剰余金とする

持分法・・・のれん若しくは負ののれん又は売却損益の調整とされる

持分法の適用範囲: 原則、非連結子会社及び関連会社

持分法適用会社の子会社又は関連会社の取り扱い:

非連結子会社・・・持分法の適用範囲に含まれる

→当該非連結子会社がその子会社又は関連会社に対する投資について持分法を適用して認識した損益を当該非連結子会社の損益に含めて計算する

関連会社・・・持分法の適用範囲に含まれない

→ただし、適用する場合は同上

ダウン・ストリームの会計処理:

非連結子会社・・・全額消去

関連会社・・・原則として持分会社の持分相当額を消去

→子会社の場合と異なり、関連会社に対しては財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えているものの、他の支配株主又は主要株主が存在するか、あるいは共同支配を行っているため、未実現損益のうち第三者の持分部分については、連結財務諸表上、実現したものと考えられるため

アップ・ストリームの会計処理:

非連結子会社・・・非連結子会社に対する連結会社の持分相当額を消去

関連会社・・・関連会社に対する連結会社の持分相当額を消去

受取配当金の処理: 収益を計上することなく、当該配当金に相当する額を投資の額から減額する

追加取得及び一部売却等:

追加取得・・・のれん又は負ののれんとして処理

一部売却・・・売却損益の修正として処理

時価発行増資等・・・持分比率が増加:追加取得に準じて処理

          持分比率が減少:一部売却に準じて処理

財務諸表論⑬(連結財務諸表に関する会計基準)

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子会社の判断基準: 支配力基準(経済的実質)

特別目的会社の取り扱い:

次の二要件を満たす特別目的会社については、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定する

①特別目的会社が、適正な価格で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立されていること

②特別目的会社の事業が、①の目的に従って適切に遂行されていると認められること

→この場合、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業から独立しているものと認められる

連結主体論: 親会社説

連結の方法: 全部連結(親会社が意思決定機関の支配を通じて、子会社の全体を支配している)

親子会社間の会計処理の統一:

原則・・・個別財務諸表の作成段階

例外・・・連結財務諸表の作成段階

在外子会社の会計処理の統一:

原則・・・我が国の会計基準に基づき会計処理を統一

容認・・・国際財務報告基準又は米国会計基準に準拠して作成されている場合には、当面の間それらを連結決算手続き上利用することができる

連結貸借対照表の作成基準

子会社の資産及び負債の評価: 全面時価評価法

時価評価の範囲・・・非支配株主持分を含めたすべての持分

時価評価の時点・・・支配獲得日(支配の獲得により、過去に所有していた投資の実態又は本質が変化し、支配獲得時にいったん投資が清算され、改めて投資を行ったものと考えられる)

投資消去差額: 購入(買入)のれん方式

→のれんは、親会社持分についてのみ計上される

・のれんは、法律上の権利ではなく、また、分離して譲渡可能な資産でもないため、他の識別可能資産とは明らかに異なる性質を有する

・非支配株主持分に相当するのれんは自己創設のれんにほかならない

子会社に欠損が生じている場合の会計処理:

子会社の欠損のうち、当該子会社に係る非支配株主持分に割り当てられる額が当該非支配株主持分の負担すべき額を超える場合には、当該超過額は、親会社の持分に負担させる(その後の利益計上時には、親会社が負担した欠損が回収されるまで、その利益の金額を親会社の持分に加算する)

出資を超えた非支配株主持分による負担が合意されている場合には、当該負担額まで府支配株主持分に欠損の負担を行わせる

支配が継続している場合の子会社に対する親会社持分の変動の会計処理:

資本取引として処理

親会社と子会社の支配関係が継続していない場合の一部売却等の会計処理:

・支配を喪失して関連会社になった場合の処理

→連結貸借対照表上、当該関連株式会社の帳簿価額は持分法による投資評価額に修正

のれんの未償却額については、適切な方法に基づき、関連会社として残存する持ち分比率に相当するのれんの未償却額を算定する

・支配を喪失して関連会社にも該当しなくなった場合の処理

→連結財務諸表上、残存する当該被投資会社に対する投資は、個別貸借対照表の帳簿価額をもって評価する

・子会社の時価発行増資等に伴い親会社の持分が増減した場合の会計処理

親会社の払込額と親会社の持分の増減額との間に差額が生じた場合には、当該差額を資本剰余金とする

みなし取得価額及びみなし売却価額の金額については、いったん、従来の持分比率で株式を引き受け、その後に追加取得又は一部売却を行ったものとみなす

「追加取得」とみなす場合のみなし取得価額は、増資額のうち、親会社が従来の持分比率により引き受けたとみなした金額を上回る実際引受額であり、「一部売却」とみなす場合のみなし売却価額は、従来の持分比率により引き受けたとみなした金額を下回る実際引受額である

連結損益計算書の作成基準

未実現損益の消去:

ダウン・ストリーム・・・全額消去・親会社負担方式(個別財務諸表上、損益を計上しているのは、売り手である親会社であるため、未実現損益の全額が企業集団の内部構成員である親会社株主に帰属する)

アップ・ストリーム・・・部分消去・持分按分負担方式(個別財務諸表上、損益を計上しているのは、売り手である子会社であるため、非支配株主が存在する場合、未実現損益は親会社株主と子会社の非支配株主に帰属する)

財務諸表論⑫(研究開発、工事契約)

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研究開発に係る会計基準

研究開発費に係る会計処理:

全ての研究開発費を発生時に費用とする処理(現行)(問題点:資産性を有する経済的資源が貸借対照表に計上されない)

その他の処理:

費用処理または資産計上を任意とする処理(従来)(費用収益対応の原則・・・問題点:企業間の比較可能性)

全ての研究開発費を資産として計上する処理(将来の収益やキャッシュの獲得に貢献・・・問題点:確実性がない)

一定の要件を満たすものについて資産計上を強制(蓋然性基準・・・問題点:判断可能な要件を規定することは困難)

ソフトウェア制作費に係る会計処理:

研究開発目的;発生時費用処理

研究開発目的以外:

販売目的、受注制作:工事契約の会計処理に準じた処理

市場販売目的:最初に製品化された製品マスターの完成までの費用は研究開発費として発生時に費用処理

機能の改良・強化を行う制作活動のための費用は、著しい改良と認められない限り、資産計上

自社利用:将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合に限り、資産として計上

工事契約に関する会計基準

工事契約に係る認識基準:

工事完成基準・・・実現主義(工事契約においては完成・引き渡しを行った時点で、通常、成果の確実性が認められる)

工事進行基準・・・発生主義(一定の条件が整えば当該工事の進捗に応じて対応する部分の成果の確実性が認められる場合がある)

財務諸表論⑪(資産除去債務に関する会計基準)

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資産除去債務の会計処理:

資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって発生した時に負債として計上する。

→情報ニーズに対応するため、負債性(貸方)の観点から資産除去債務の全額が計上される(資産負債の両建て処理)

・引当金処理の場合、各期間に費用配分し、それに対応する金額が計上されるため、負債計上が不十分となる

・当該有形固定資産への投資について、回収すべき額を引き上げることを意味する

・除去費用は減価償却を通じて各期に費用配分されるため、引当金処理を包摂する

有形固定資産の除去に要する割引前将来キャッシュ・フロー:

自己の支出見積り(現実には市場の想定する支出額が客観的に明らかでないことが多いため、実務的には大きな相違とならないことが多い)

割引率:

無リスクの利子率(割引前の将来キャッシュ・フローに信用リスクによる加算が含まれていない以上、割引率も無リスクの割引率とすることが整合的である)

資産除去債務に対応する除去費用の資産計上:

関連する有形固定資産の帳簿価額を増加させる方法(資産除去債務に対応する除去費用は、法律上の権利ではなく財産的価値もないこと、また、独立して収益獲得に貢献するものではないことから、別の資産として計上する方法は適切ではない)

資産除去債務の見積の変更:

プロスペクティブ・アプローチ(資産除去債務に係る負債及び関連する有形固定資産の帳簿価額に加減して、減価償却を通じて残存耐用年数にわたり費用配分を行う方法)

割引前将来キャッシュ・フローの見積の変更による調整額に適用する割引率:

割引前将来CFが増加する場合・・・見積変更時点の割引率(キャッシュ・フローの増加部分については、新たな負債の発生と同様のものと考えられる)

割引前将来CFが減少する場合・・・負債計上時点の割引率

財務諸表論⑩(リース取引に関する会計基準)

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リース取引も重要性の高い論点です。法的形式と経済的実態にそれぞれ着目しながら理解していってください。

所有権移転外ファイナンス・リース取引の会計処理:

通常の売買取引に係る方法(原則)

→ファインス・リース取引については、借り手において資産及び負債を認識する必要性がある。代替的な処理が認められるのは、経済的実質が異なる場合だが、例外処理(通常の賃貸借処理)がほぼすべてを占める状況でった。よって、ファイナンス・リース取引の例外処理は廃止された。

リース資産の償却:

所有権移転ファイナンス・リース取引:耐用年数は経済的使用可能予測機関(リース期間経過後においても、リース物件の耐用年数にわたり使用できる)

所有権移転外ファイナンス・リース取引:耐用年数はリース期間、残存価額ゼロ、定額法等により償却(使用期間がリース期間に限定される)

貸し手側の会計処理:

所有権移転ファイナンス・リース取引・・・リース取引で生じる資産をリース債権として計上(リース料と割安購入選択権の行使価額で回収するため。リース債権は金融商品と考えられる)

所有権移転外ファイナンス・リース取引・・・リース取引で生じる資産をリース投資資産として計上(リース料と見積残存価額により回収するため。)

リース取引がファイナンス・リース取引に該当する場合のセール・アンド・リースバック取引の借り手側の会計処理:

二取引法・・・法的形式を優先し、一取引法(金融取引:担保付借入)ではなく、資産の売却取引+リース取引(複合取引)と考える

売却損益を直ちに当期の損益に計上することには、実現性の観点から問題があるため、長期前払費用又は長期前受収益として繰延処理し、減価償却費に加減して損益に計上する

維持管理費用相当額の取り扱い:

原則としてリース料総額から控除

オペレーティング・リース取引の会計処理:

通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理

商品売買における、返品と値引きについて知ろう(簿記3級)

返品と値引きは、簿記3級の商品売買の仕訳において、初めて「逆仕訳」が登場します。

最初は戸惑うかもしれませんが、決してむづかしくはないので、しっかり押さえていきましょう。

商品売買、売掛金、買掛金について学習がまだの方はこちらから読んでみてくださいね。

商品売買について知ろう(簿記3級)

売掛金、買掛金について知ろう(簿記3級)

商品売買における、返品と値引きって?

返品、値引きについて学習する内容はそれほど多くありませんので、安心してください。

ですが、これまでの内容が理解できていることが前提となります。それでは、「返品」と「値引き」について見ていきましょう。

皆さんも、これまで買った商品に問題があったなどで、お店に返品しに行ったことがあると思います。

また、買った商品にキズがあり、値引いてもらった経験もあるのではないでしょうか。

これから学習する「返品」と「値引き」も、同じように考えていただいたら結構です。

「返品」とは、購入した商品が注文したものと違ったなどの理由から、その商品そのものを返すことで代金を返してもらうことを言い、「値引き」とは、購入した商品にキズがあったり、注文した数と違うなどの理由から、当初の値段より安く売ってもらうことを言います。

逆仕訳とは?

これから仕訳について見ていきますが、少し特徴的な仕訳をします。

これまで学習した、仕入れ、売上げの際の仕訳を取り消す、という意味で、これまでと逆の仕訳をすることになります。

これを「逆仕訳」と言いますが、今後もこの言葉を目にする機会がありますので、覚えておくと良いでしょう。

また、これまでと同じように「商品売買」ですので、「売る側」「買う側」両方の立場から考えるのを忘れないようにしましょう。

販売する側の仕訳

仕訳例①

では、売る側の仕訳を確認していきます。まずは、復習から。

「商品100を掛けで売り上げた」

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

次に、返品の仕訳を見てきます。

「売上げた商品100のうち、50について品違いのため返品を受けた」

ここで、先ほどの仕訳の「逆仕訳」をすることになります。金額は50ですね。

借方 貸方
売上 50 売掛金 50

では、取引の八要素で確認しておきましょう。

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

簿記の取引について理解しよう!

貸方は、売掛金が減る(受け取ることができる代金が減る)ので、資産の減少ですね。

次に借方ですが、「あれ?ないぞ??」と思われた方がいらっしゃるでしょうか。

そうです、売上げは収益ですが、収益が借方側にくることはほとんどありません。

ですので、取引の八要素には含まれていないんです。

ですが、今回の「返品」「値引き」のように、まれに収益が借方側にくることがあります。

これを「収益の消滅」と言います。(あまり出てこないので重要ではありません)

仕訳例②

続いて、値引きの仕訳も見ていきましょう。

「売上げた商品100について、汚損があり20値引きをすることとした」

これについても「逆仕訳」をしていきます。金額は20です。

借方 貸方
売上 20 売掛金 20

さきほどの「返品」と同じ仕訳ですね。

ですが、繰り返しになりますが、「返品」は商品を返すこと、「値引き」は返すまでもないけど、正規の金額は払えないよ、ということで違いますので、そこは覚えておいてください。

仕入側の仕訳

仕訳例③

では、買う側の仕訳を見ていきます。まずは復習から。

「商品100を掛けで仕入れた」

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

次に返品の仕訳を見ていきましょう。

「仕入れた商品100のうち、50について品違いのため返品した」

ここで「逆仕訳」でしたね。金額は50です。

借方 貸方
買掛金 50 仕入 50

同様に、取引の八要素で確認しておきます

(借方要素) (貸方要素)
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
純資産の減少 純資産の増加
費用の発生 収益の発生

借方は、買掛金が減る(支払う金額が減る)ため負債の減少です。

しかし、先ほどと同じように貸方がありませんね?

ここでは、貸方は計上した仕入を取り消しているので、「費用の消滅」となります。(これも特に覚える必要はありません)

仕訳例④

最後に、値引きの仕訳を見ていきましょう。

「仕入れた商品100について、汚損のため20値引きを受けた」

ここでもまた「逆仕訳」をします。金額は20ですね。

借方 貸方
買掛金 20 仕入 20

やはり返品と同じ仕訳になります。

まとめ

今回は、「返品」と「値引き」の仕訳について説明しました。。

逆をするだけですので、覚えてしまえば簡単ですね!

財務諸表論⑨(棚卸資産の評価に関する会計基準)

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棚卸資産に関しては、あまり覚えるところは多くないかもしれませんが、従来の取り扱いと現行の違いや、その評価についてP/L,B/Sの視点から正確に説明できる必要があります。取りこぼしのないようにしておきましょう。

 

棚卸資産の評価方法:

・先入先出法

P/L面:保有損益が期間損益に混入してしまい、適切な期間損益計算の観点からは望ましいと言えない

B/S面:貸借対照表価格は最近の再調達原価の水準と近い金額となる

・後入先出法

P/L面:保有損益を期間損益から排除できる

B/S面:貸借対照表価格が最近の再調達原価と大幅に乖離してしまう可能性がある

 

従来の会計処理:

原則:原価法

例外:低価法(時価が取得原価より著しく低下した場合には、回復する見込みがある場合を除き、強制評価減→保守主義)

現行制度上の会計処理:

取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性が低下した場合は取得原価と正味売却価額との差額は当期の費用として処理する

→取得原価基準の下で回収可能性を反映させるように、将来に損失を繰り延べないために行われる

 

トレーディング目的で保有する棚卸資産:

市場価格に基づく価額を貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理する(売買・換金に対して事業遂行上等の制約がなく、市場価格の変動にあたる評価差額が企業にとっての投資活動の成果と考えられる)