(このブログは公認会計士試験の受験を目指されている方たちへ向けて、僕が学習した内容をノート形式で公開することを目的としています。)
包括利益を表示する目的:
期中に認識された取引及び経済的事象(資本取引を除く。)により生じた純資産の変動を報告するとともに、その他の包括利益の内訳項目をより明瞭に開示すること
→貸借対照表との連携(純資産と包括利益とのクリーン・サープラス関係)を明示することを通じて、財務諸表の理解可能性と比較可能性を高める効果が得られる
包括利益:
ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分
その他の包括利益:
包括利益のうち当期純利益に含まれない部分
包括利益の計算の表示:
当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を表示する
その他の包括利益の内訳の開示:
その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整額等に区分して表示
持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額については、一括して「持分法適用会社に対する持分相当額」として区分表示する
その他の包括利益の内訳項目に係る税効果額の表示:
原則・・・各内訳項目を税効果を控除した後の金額で表示する
容認・・・各内訳項目を税効果を控除する前の金額で表示する
その他の包括利益に関する注記事項:
・税効果の金額
→その他の包括利益の各内訳項目別の税効果の金額を注記する
・組替調整額
→当期純利益を構成する項目のうち、当期又は過去の期間にその他の包括利益に含まれていた部分は、「組替調整額」として、その他の包括利益の内訳項目ごとに注記する
・その他有価証券評価差額金・・・当期に計上された売却損益及び減損損失等、当期純利益に含められた金額による
・繰延ヘッジ損益・・・ヘッジ対象に係る損益が認識されたこと等に伴って当期純利益に含められた金額による
・為替換算調整勘定・・・子会社に対する持分の減少に伴って取り崩されて当期純利益に含められた金額による
・退職給付に係る調整額・・・「退職給付会計基準」による
2計算書方式の利点: 当期純利益と包括利益とが明確に区別され、当期純利益を重視する考え方との親和性が高い
1計算書方式の利点: 一覧性・明瞭性・理解可能性等の観点から優れている